では、次にちょっと視点を変えて、分析を行ってみる。
と、その前に。
これから見ていく図は、誤りが誤差の範囲を超えているものと思われる。
それは皆さんもご承知の通り、ソフトウェアの発売予定日などというものは、あって無きがごとくであるからだ。
ある1つの雑誌の情報だけから正確な発売時期を特定することは、非常に困難なのである。
よって、かなりの嘘が入っている可能性が非常に高いので、間違ってもここにあげる内容を本気
にせず、あくまでも「ある観点から得た一つの結果」というように割り切って、楽しんで頂きたい。
というわけで。まずは、図8を見ていただきたい。
上図は、1985年6月から1991年6月までの6年の間に発売されたturbo専用ソフトの、月別販売数量をグラフ化
したものである。
さて、グラフをつらつらと見ていくと、turbo専用ソフトというのは結構波がなく、平均して発売されてい
た、ということがわかる。
なんと、89年の後半まで平均して月1〜3本づつ、きれいに出続けているのだ。そして、89年の後半
を最後に、ぽつんぽつんと出た後、出なくなってしまっている。
私は、もうちょっと、0<a<1の対数関数のような曲線を描くものと思っていた。
また、このグラフから、turbo専用ソフトの全盛時期は、88年後半から89年前半といったところであること
がわかる。
この頃は、どんなソフトが出ていたのかというと、RPGではイースUや怒涛のソーサリアン連合などの日本ファルコム勢が、
そしてシミュレーションではSUPER大戦略や光栄の一連の歴史シミュレーションシリーズなどが発売されている。
なるほど、と思わずうなずいてしまう布陣である。
しかし、この後突然ソフトが出なくなってしまうのもまた、面白い。
ところで、X1シリーズ全体ではどうであったのか?
X1/turboシリーズ全体の月別販売数量を図9に示す。
実に素直なグラフになった。
こちらの思惑通り、きちんと右肩下がりの曲線を描いている。出来ればこんな図は見たくはないの
だが、まぁ一般的にはこんなもんであろう。
年末・年始にかけて、申し合わせたようにソフトの数が増えているのも、定石通り。別に違和感はない。
ところで、図9を見てて気にかかる月が一つある。そう、1985年6月(一番先頭の部分)だ。
この月は、集計を始めた最初の月ということもあり、1985年6月より前に販売されたというソフトがかなり
混じっているため、このようになった。
しかし、しかしである。ソフトの数が、実に半端でない。何と、80本近くもひと月に集まっているのだ。
ということは・・・何と、この月のOh!MZには、80本近くのソフトが「価格」「FD/TAPEの種別」「turbo/non-turbo
の種別」「ソフトウェアハウス名称」付きで掲載されていたのだ!
1985年6月号といえば、言わずとしれた「S-OS」の開始記念号。この月のOh!MZは、パワーがあったんだなぁ
と、いまさらながら恐縮してしまうしだいであった。
では、最後に「ソフトの販売推移」を、turbo専用ソフト、turbo専用ソフトを除いた分、X1/turboシリーズ全体の
3つのパターンに分けて見てみることにする。
図10を見ていて気づくのは、turbo専用ソフトは比例を示す直線を描き、turbo専用を含まないX1用ソフトは
対数関数のような曲線を描いている、というところであろう。
で、そこからさらに、どちらの線も変異点(っていうんだっけ? もう、数学なんて忘れた!)
がそれぞれ1つずつあるのが面白い。
X1用ソフトは86年の年末辺りで一回、turbo専用ソフトは89年の4月辺りで一回、それぞれ節目がある。
で、その節目を越えた後は、それぞれ同じような成長(曲線/直線)を歩み続けるのである。
これは一体、どういうことなのであろう?
数学が分かる方ならば、エレガントな解答をもってこの現象を説明するのであろうが、私の場合、詰め込み
勉強を高校時代の一時期しか行っていないため、スマートに説明することが出来ない(なんか、悔しいなぁ)。
だから、素直に見たままの感じで考えてみる。
まずturbo専用ソフトの場合。これは、簡単だ。そう、89年4月を境に、ソフトの販売数量がいままでのペース
に比べて落ちたと。ただ、それだけである。
89年4月・・・X1turboシリーズの最後の機種、ZVの発売時期が89年4月だから、turbo専用ソフトは随分
健闘したのであったのだろう。中でも光っているのが、光栄の歴史シミュレーションシリーズか。そう、光栄は
最後までturbo用のソフトを発売し続けてくれたソフトウェアであったのだ。
感謝。
で、次にX1用ソフトの場合。これも、実は簡単であった。そう、86年の年末に一時、X1用ソフトが盛り返し
を見せたのだ。それは、FM音源の発売や、X68000の出現などが多分に影響していたのであろう。
しかし、その後、徐々にソフトの販売本数を減らしていく。そう、まるでビックコアを倒した後にすぅっと
画面が美しくフェードアウトしていくように・・・。(いい比喩になってないなぁ)
ところで、その頃発売されたX1用ソフトとは何か。ザナドゥ シナリオU、ロマンシア、グラディウス!
・・・ほうほう、ビッグタイトルばかりですな。
まぁ、とにもかくにも、ちょうどこの頃がX1の黄金期と呼ぶにふさわしい時期であったのであろう。
以上、HP作成中に思いもかけずにデータが揃ってしまったので、突然こんなことを気の向くままにやって
みた訳であるが、皆さんはどう感じたであろうか?
私自身は、こういう数字遊びが大好きである。まぁ、これはパソコン好き人間のある意味、宿命(?)の
ようなものらしいので、そういった点では、大いに楽しませてもらった。
しかし、不満は残る。
それは、もっと正確なデータで遊んでみたい、という欲求である。
数ももっと増やしたい。大体、XEVIOUSやマッピーやディグダグやサンダーフォースやサラトマやその他もろもろの
名作ソフトが入っていないで、何がX1ソフトの分析だ! と本人が叫びたい心境なのである。
あぁ、一昨年の家の建て替え時に捨てたベーマガ5年分(83年〜)やマイコン3年分(84年〜)、それにI/Oや
ログインなどのもろもろの雑誌達は今、いずこにいるのだろう。・・・惜しいことをしたなぁ。
しかし、愚痴をこぼしても始まらない。
とにかく、日頃なんとなく気になっていたことが分かって、非常に楽しかった。
もし、どなたか、もっと詳しい分析をされている方がいらっしゃったら、ぜひ私に教えて下さい。
X1で一番売れたソフトは何か、とか、一番売れたハードは何だったのか、とか、いろいろ知りたいのです。
宜しくお願いします。 <(_ _)>