Disco Graphy

Sessions & Produce

The life time


Thank you Mick ronsonの気持ちを込めて、
ここでは、彼が私達に残してくれた作品、
そして、彼が関わってきた人物とのお話、
または楽曲等を紹介していこうと思っています。
まだ、未完成な部分がある事をお許しください(笑)
まだ、Mickを知らない人ももう知っている人も
新たな発見があればな、と思います。
こんな素晴らしい、アーティストの名曲、名盤
眠らせておくにはもったいない。
そうおもいませんか?


Disco Graphy

Slaugter on 10th Avenue 1974年3月

1. Love me tender 6. Pleasure man/Hey ma get papa
2. Glowing up and I'm fine 7. Slougter on 10th avenue
3. Only after dark 8. Leave my heart (Live)
4. Music is lethal 9. Love me tender (Live)
5. I'm the one 10. Slougter on 10th avenue (Live)

作品解説
ミックロンソン初のソロ・アルバム。プロデュース、アレンジはミック本人が担当し、
ロンドンでレコーディングされたものである。
参加ミュージシャンは、トレヴァー・ボルダー(bass),マイク・ガースン(Keyboad)という、
スパイダース・フロム・マースの旧メンバーとエインズリー・ダンパーとミック・ロンソンが基本メンバー。
収録曲は、
@ Love Me Tender
ご存知エルビスプレスリーの名曲。ミックの少年時代のお気に入りの一曲だったそう。
A Gloeing up and I'm fine
そもそも、デビッド・ボウイの曲ではあるが、自身では未発表の曲。
B Only after dark
これは、ミック自身が作詞し作曲した曲。
C Music is lathal
イタリアのシンガー・ソングライター、ルチオ・パティスティの曲にボウイが英詩をつけたもの。
D I'm the one
ジャズ/ロック シーンで活躍するキーボード奏者でシンガーの、アネット・ピーコックの作品で、
彼女の 未発表曲"Seven days"が、2枚目の"Play Don't worry"でカバー曲として収録されている。

E Pleasure man/Hey ma get papa
このCDの中のメドレー曲、あとの、"Hey ma get papa"はミックとボウイの
唯一の共作。この二人の共作曲はこの曲だけある。
F Slougter on 10th avenue
タイトルにもなっている曲でもともと、バレエ音楽として作られた曲。
ベンチャーズがカバーし、ヒットさせたことはよく知られている。

G〜Iの3曲はボーナストラックで95年10月21日に発表された完全復刻版のみの収録となっている。
1974年2月22日のロンドン。レインボー劇場で行われたライブテイクである。


こまどり評
これでもかぁ!というほどに転調するLOVE ME TENDER。なんと、グラマラスなのかと
びっくりされられると同時に、一気にこのCDの世界へ引き込まれた。
そして、ミックのなんとも言えないウマヘタな歌唱力と(怒られそうだけど、本当のことだからゆるしてね♪)
ピアノ、ギター、オーケストラとコーラスの絶妙なバランス、今にも崩れるんじゃないかと一瞬思わせるような
ゆらゆら感がある。
このアルバムが、発売当初は焦点の定まらないものだったという不評は、あとになってわかった話だ。
やはり、彼はフロントマンという気質ではなかったせいだろうと思う。
人には、フロントでも十分にやっていける!と思わせる部分があるのだけれど、
あくまでも、サイドであること。これが、彼の天性だったのではないかと私は思う。
一度、聴いて微妙な音の世界に入り込んでもらいたいものです。


Play Don't worry 1975年2月

1. Billy Porter 7. Girl can't help it
2. Angel No,9 8. Empty bed
3. This is for you 9. Women
4. White Light/White Heat 10. Seven days
5. Play don't worry 11. Stone love
6. Hazy days 12. I'd rather me

作品解説
ミックロンソンの2作目のソロ・アルバム。
プロデュースはミックロンソン本人があたっている。
本作は、ミックのマルチプレイヤーぶりを発揮した多重録音に曲ごとに、ゲストプレイヤーを加える
といった形で制作されている。
収録曲は、
@ Billy Porter
ミックの自作曲で、シングルカットになった曲。ここでは、ヴォーカル・ギター・ベース・ドラムス・ピアノ
ハーモニカを自ら担当している。余談だが、THE YELLOW MONKEYの”This Is For You”は、
この曲の歌詞を引用しているというエピソードがある。
A Angel No.9
当時、アメリカのカントリー・ロックバンド、ピュアプレイリー・リーグのメンバーだったクレイグ・フラーの作品。
B This is for you
ローリーヒ−スの作品。バッキングにトレバー・ボルダーを含む。
C White light / White heat
こちらは、有名ルー・リードのヴェルベット・アンダー・グラウンド時代の楽曲。
D Play Don't worry
ミックとボブサージェントの共作曲。
E Hazy days
ミックロンソン自身の作品。 なんとも、いえない..。雨の音から、始まるイントロと口笛で終わるラスト。
言葉を失いそうな気がする。
FGirl can't help it
ジェーン・マンスフィールド主演の『女はそれを我慢できない』の挿入歌
G Empty bed
イタリアの楽曲にミックが英詞をつけたもの。ミックがアレンジするストリングスの流麗な響きと、メロドラマティックな
カンツォーネが非常に相性がいい。
H Women
アダム・テイラーの作品。

I〜Kは完全復活盤のみの収録。
なかでも、Jはデヴィット・ボウイの名盤"Ziggy Ster Dust"に収録されている曲。
Kは、ミックの夫人スザンヌとの共同作品。カントリーロックっぽいアレンジになっている。


こまどり評
ここまでも、音楽に一人ぼっちにさせられたことはない、そう感じたアルバムでもあった。
ストリングス、コーラス、ピアノ...どれをとっても、すごく切ない..。
特に、”HAZY DAYS”。パッときいて、これだっ、とおもった。私は、こういう音が好きなんだと
初めて認識させられた。雨の降ってる音から入るイントロ、
途中の口笛や、ピアノの音、ギターの弦が切れそうな音。
メロディーのひとつひとつが自然と身体に入り込んでくる感じがする。
私にとっての”Play Don't Worry”は
落ち込んだり、悩んでいる時にいつも助けてくれるアルバムの一つに位置してる。

このアルバムを作る前の全英ツアーでは、女性コーラスに妹マギーロンソンを
加えて大掛かりなツアーをおこなったそうだが、それも、事務所側の先走りと
ミックの自分に対する過信などで、大成功には至らなかったのが残念でしかたがない..。


HEAVEN AND HULL1994年5月19日

1. Don't look dawn 6. You and me
2. Like a rolling stone 7. Colour me
3. When the world falls down 8. Take a long time
4. Troble with me 9. Midnight love
5. Life's river 10. All the young dudes

作品解説
ミックロンソンのソロアルバムの3枚目、そして遺作となったもの。
彼は、このアルバム制作中に癌によって、帰らぬ人となってしまったが
彼の意志を受け継いだ、友人、アーティストらがミック死後一年間を経て、
完成させ、発表した。
ジャケットの裏表紙には、彼が生まれた街、Kingston・upon・Hullにあるハンバー・ブリッジの写真で
彼にとっての故郷のシンボルだったそうだ。

とにかく、このアルバムはすごいとおもう。
彼の友人、ジョー・エリオットは@、D、F、Gにヴォーカルで参加しているだけでなく、
ミキシングも担当している。
AのLike a rolling stoneでは、デヴィットボウイがリードヴォーカルととっている。
昔とは違う、ダイナミックで躍動感が溢れている。

このアルバムの中で、ミックは魅惑的なインストゥメンタル"You and me"と、"Midnight love"の
2曲も、聴かせてくれている。
2曲とも、とてもメロディアスで心の奥にすい込まれる感じがする、それは、美しくて
なんだか、切なくてもの哀しい...。
この音の中で、ミックロンソンは永遠だ。

このアルバムの、最後を飾るのにふさわしい"All the young dudes"すべての若き野郎ども。
もともとは、デヴィットボウイが作曲し、アレンジしてプロデュースしたもので、1972年の
モット・ザ・フープルの大ヒット曲だ。
この曲は、色んなアーティストが演奏していて、たくさんのテイクがあるが、ここに収録されているのは
これほどに、豪華なものがあるか、というくらいに素晴らしいラインナップだ。
ロンドンのウェンブリー・スタジアムで行われた、1992年のフレディーマーキュリー追悼コンサート
のライブテイクで、ヴォーカルにミックロンソン・イアンハンター。
クイーンのブライアンメイ(ギター)、ジョンディーコン(ベース)、ロジャーテイラー(ドラムス)そして、
バックヴォーカルに、デヴィットボウイ、ジョーエリオット、フィルコリンと、まぁ、ずらっとこんなところだ。


こまどり評
1枚目と2枚目に比べて、それほどまでに重要視していなかった、本作品だったが、
このノーツを書くにあたって、じっくりきいてみた。
実に、私はなんて馬鹿だったんだろうかと今更ながら思う。
だいぶ昔から、このアルバムを持っていたにも関わらず、
このよさを知らずに過ごしてきたのだから。
このノーツを書く機会を与えてくれた必然に感謝するとともに、
ギタリスト・ミックロンソンにも、最高の敬意を示したい。

ここで、私の神経を根底からふつがえし、揺さぶったのは
インストゥメンタルの"You and me"だ。
インストでは、もう一曲の壮大なイメージを持つ"Midnight love"があるのだけれど、
ここでは、"You and me"について話していきたい。

なんとも、官能的で透き通る透明感のある音。プラス、なぜか
スゥーっと引き寄せられるような流れのメロディー。
これほど、切なくてやるせなくて、哀しくて美しくて。
なんだか、知っているだけの形容詞を、並べたように思うかも知れないが、
本当のことだ。これ以上何もない。
音を聴いて、その感動を言葉で伝えるのは、非常に難しい。

どこまで、それを表現できるかが問題だが、まぁ、それはひとまず置いておこう。。
今回は、『感動したんだな、じゃ、聴いてみよう』と読んでいる人が
思ってくれればそれでいい。

どこまでもずっと行けそうな世界が、ふわぁーっと広がり、だけれど、
近づけば近づくほど、その存在は消えてなくなってしまいそうだ。
大切にその一瞬をつかまえて、側に置いておきたくて、だけどそれは不可能なことなんだと
私達はわかっているのに、それをどうにかしたくてさまよっている。
そんな曇った世界を感じられる。

だからと言って、ただどんよりしているわけではない。
その音の透明度が聴く方を、常に新しい方向へ向かわせる。
こんなに素晴らしいことがあるだろうか。

まだ、この体験をしていないのならば、ぜひ体験してみるといいと思う。
味わったことのない世界がそこにはあることを保証しましょう。


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