◆ TITANIC REFERENCE ◆

−English text book−



冒頭にも書きましたが、私が中学生の時に使用していた英語の教科書に載っていた、「Miss Evans on the Titanic」をここに全文掲載します。

ミス・エヴァンズは、150人の女性一等船客の中で死亡した5名のうちの一人でした。(ちなみに残りの4名は、シュトラウス夫人、アリソン夫人、娘のミス・アリソン、ミス・アイシャム、です。)
映画にも出てきたア−チボルト・グレ−シ−大佐が残した手記(「SOSタイタニック号」参照)にも出てきますが、同伴の男性のいない数名の女性客を甲板で誘導していたのが大佐で、その中の2人が、ブラウン夫人と、ミス・エヴァンズだったのです。

途中、ライトラ−2等航海士に”女性子供優先”ということで、行く手を阻まれ、 2人のその後の詳しい状況がわからなかった大佐が、後日助かったブラウン夫人の手紙で、
ミス・エヴァンズの最期を知ったのです。

それによると、ミス・エヴァンズ自ら、「あなたは結婚していて子供もいるし、 私は独身だから、後で行きます。」と言い残して左舷側の船尾へと消えたとか・・。
左舷側から降ろされた最後の救命ボ−トに乗ることもなく、ミス・エヴァンズは船と運命を共にしたのです。


掲載にあたっては、”WHile MY Guiter GEntly BUrps”管理者のKatsさんに全面協力頂きました。和訳もKatsさんにしていただいてます。




東京書籍出版 
NEW HORIZON ENGLISH COURSE BOOK 3 REVISED EDITION P.17-20

Lesson 4
Miss Evans on the Titanic (タイタニック号のミス・エヴァンズ)


On a beautiful afternoon in April 1912, the Titanic started on its first journey, from England to America.
It was one of the biggest ships ever built. About two thousand and two hundred people were on this ship.
Everything in it was new and clean. Everyone was enjoying the journey.
But after four days it got colder and colder.

1912年4月のある美しく晴れた午後、タイタニック号はイギリスからアメリカ へ向けての処女航海に出発した。 タイタニック号は当時、もっとも大きな船の1つに数えられていた。 およそ2,200名の乗員乗客を乗せ、船内はすべて新品で清潔なものばかり。みんながみんなその船の旅を楽しんでいた。しかしその船出から4日後、次第に身に寒さを感じ始めずにはいられなかった。



There were some icebergs around the Titanic.
Icebergs are dangerous to ships. Only a part of an iceberg shows above the water, and most of it is under the water.

タイタニック号の周りには氷山が漂っていたのである。氷山は船にとって非常に危険なものだ。氷山は一部だけが水面から顔を出しているが、そのほとんどの部分は海中に潜っていて見えない。



Later that night, a man watching for icebergs saw a very big one near the ship. He shouted, "Iceberg ahead!" But it was too late. The ship hit the iceberg and began to sink slowly into the sea.

その夜遅く、氷山を監視していた男が、非常に巨大な氷山を発見した。彼は 叫んだ。「前方に氷山あり!」 しかし時すでに遅かった。船体はその氷山に激突し、海の中へゆっくりと沈み始めたのだ。



All the people had to leave the ship quickly.
The women and children were the first to get into the lifeboats. But one woman was left behind.
She came up to the side of the ship and shouted,
"Oh, please, please make room for me. My children are down there in that boat.
I must go with them! ".
"There's no more room here," someone in the boat shouted back.
Her little son and daughter heard her and began to cry,
"Mother! mother!" No one knew what to do.

乗客は皆、一刻も早く船を脱出しなければならなかった。最初に救命ボート に乗せられたのは女子供達。しかし一人の女性が後に残されてしまった。彼女は船のへりに走り寄り、そして叫んだ。
「ああ、どうか、どうかお願いです。私も船に乗せて下さい。私の子供たちがそのボートに乗っているのです。私はその子たちと一緒じゃないと駄目なのです!」
「もう人が乗るスペースはありませんよ。」とボートから誰ともなく声が帰 ってきた。
彼女の小さい息子と娘はその母親の声を聞いたとたん泣き出してしまった。
「お母さん! お母さん!」 しかし誰もどうすることもできなかった。



Suddenly a young woman sitting near the poor children stood up and said,
"I'll go back to the ship. I'm not married. I have no children."
There was no time to lose. The young woman went back to the ship, and the children's mother got into the lifeboat.
Soon after that, the Titanic went down under the sea.
The young woman's name was Miss Evans. She was going home to Boston.
No more is known about her. That night about 1,500 people lost their lives. Miss Evans was one of them.

そのとき突然、その気の毒な子供達のすぐそばにいた女性が立ち上がり、こ う言ったのだ。「私が船に戻ります。私は結婚していませんし、子供もいませんから。」
時間は刻一刻と迫っていた。その若い女性は船に戻り、子供の母親は救命ボ ートに乗り込むことができた。
そしてその後間もなくして、タイタニック号は海の藻屑と消え去ってしまったのだ。
その若い女性の名前はエヴァンズさんと言った。彼女はボストンにある自宅 へ戻る途中であった。それ以上のことは何も分かっていない。
その夜、およそ 1,500もの尊い命が奪われた。エヴァンズさんはその中の一人であったのだ。





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