◆ TITANIC REFERENCE ◆


−THE HOPE DIAMOND −



沈没船TITANIC号のスイ−ト船室の金庫の中から、ブロック・ロペットは、革張りのスケッチブックにはさまれた一枚の絵を発見します。
そこにはとても大きな宝石で飾られたネックレスを身につけている、美しい裸体の少女の姿が描かれていました・・・・。

そのネックレスこそがロペットが探し求める「Heart of the Ocean(碧洋のハ−ト)」だったのです。
やがてやってきた老ロ−ズに「ホ−プ・ダイヤよりも高価な石です」と説明します。

引き合いに出されるほどのダイヤモンドとは一体どんなものなのでしょうか?
そこには「持ち主が必ず不幸になる」という呪われた歴史があったのです・・・!!




*THE HOPE DIAMOND*


第一の持ち主

9世紀頃、インドの西北部バルカット峠の農夫が畑仕事中に279カラットもの青い石を掘り出した。
しかしすぐにペルシア軍が攻め入り、宝石を握りしめ必死で抵抗していた農夫の手首ごと切り落として、略奪してしまう。



第二の持ち主

遠征部隊の隊長は、ペルシア王・シャ−・ゼハンにこのブル−・ダイヤを献上する。
王は"王国と宝石の二つがあったら迷わず宝石を選ぶ"と言ったほどの喜びようだったが、隊長はその後謎の自殺を遂げる。



第三の持ち主

17世紀、インド・ベ−ガンの大寺院の仏像の瞳にはめ込まれていたこの宝石を、フランスの宝石商タベルニエ(一説では大旅行家)が盗み出す。
フランスの太陽王ルイ14世が、噂を聞きつけ、22万リラ・約90万円(一説では250万フラン・約数十億円)で買い取り、さらに爵位まで授ける。
しかし、その後タベルニエは甥に全財産をだまし取られ、インドの荒野で狼に襲われ死亡する。(一説には、ロシアで裕福な生活をし、幸せな最期だったとも言われる)



第四の持ち主

ルイ14世は天然痘にて死去。ダイヤは新国王のルイ16世のものとなる。
しかし、1789年に起きたフランス革命にて、ルイも王妃であるマリ−・アントワネットも断頭台の露と消える。(アントワネットは身につけたことはなかったとも言われている)
王家の財産は議会に全て没収され、一時保管されていたが、革命の混乱の最中に、窃盗団に全て盗み出されてしまう。



第五の持ち主

1800年、オランダの宝石研磨師ファルスが所有していたが、それを勝手に売ってしまった息子は狂死。売った相手も食事中に窒息死。
1830年、譲り受けたイギリスの実業家エリアソンは馬から落馬死する。



第六の持ち主

ロンドンの銀行家であるヘンリ−・ホ−プ卿は、9万ドル・一億八千万円で宝石商から購入。自分の名を取り「ホ−プ・ダイヤモンド」と名付ける。
その後、甥のト−マス・ホ−プに全財産を譲り渡すが、ト−マスは突然死してしまい、その息子であるフランシス・ホ−プ卿が全財産ならびにブル−・ダイヤモンドを相続する。
フランシスと結婚したアメリカ人歌手メイ・ヨ−にダイヤは贈られるが、無類のギャンブル好きであったフランシスは破産。メイ・ヨ−も去っていく。
フランシスは14万ドル・二億四千万円でダイヤを売り渡す。
メイ・ヨ−は派手好きで、ダイヤの輝きを忘れられず、離婚後もレプリカを身につけていたという。
そして「ブル−・ダイヤモンド」と名付けてオ−プンしたホテルは数ヶ月で全焼し、メイ・ヨ−は淋しい晩年を送る。



第七の持ち主

次の持ち主であるロシア貴族は、愛人のコ−ラスガ−ルを射殺、自身も革命党員に射殺される。
その後トルコのアブドゥル・ハミト大王がダイヤを手にしたが、トルコ帝国は滅亡・大王も退位する。



第八の持ち主

1911年、かの有名なフランスの宝石商ピエ−ル・カルティエは18万ドル・三億六千万円で買い付け、アメリカの「ワシントン・ポスト」誌の新聞王エドワ−ド・マクリ−ンに売る。
一連の呪われた歴史は、実はカルティエの作り出した偽の呪われた歴史だとも言われる。
コロラドの鋼鉄王の娘のエヴァリン・マクリ−ン夫人が、いわくのある宝石を欲しがることを知っていたかららしい。
そして二人の結婚式でエヴァリンはホ−プ・ダイヤを身につけている。
しかし、夫人は呪いなどありえないと否定し、枕の下に置いたり、時には犬の首輪にしていたという。
だが、10歳の跡取り息子は自動車事故死、エドワ−ドはアルコ−ル中毒死、一人娘は薬物死、エヴァリン自身も1年後に風邪をこじらせ亡くなってしまう。



第九の持ち主

最後の持ち主であるニュ−ヨ−クの宝石商ハリ−・ウィンストンは百万ドルで購入したものの、4度も交通事故に遭遇し、事業に失敗、破産寸前となる。
1958年に、ついにウィンストンは、スミソニアン博物館に普通郵便で郵送して、寄付をしてしまう。



その後・・・。

そして、約50カラットのホ−プ・ダイヤは、郵送された際の包装紙も一緒に、現在もスミソニアン博物館で展示されている。

かくして呪われた宝石は、アメリカ市民のものとなったのである。
ベトナム戦争やケネディ暗殺は、この宝石の呪いのせいだと書き立てる者もいるとか・・・・。






参考文献
「黒魔術 白魔術」 桐生操 著 角川ホラ−文庫




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