日記 index

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10月1日(日)
▼出向先にて、データ確認の後のデータベースバックアップに30分。
 この間、「もし自分が一年間働かずにずっと休みを取っていたら経費はいくらかかるものか。食費・家賃・光熱費・電話代(ネット・携帯含む)という必要最低限のみで、趣味・レジャー分を含まないものとする」というシュミレーションで計算してみた。作家・ミュージシャンなどが口にする「一年間活動休止」とかいう、あれ。
 そのサーバーマシンにはEXCELも入っているのにわざわざアクセサリの電卓使って超アナログな計算法式で。
 するとだいたい250万くらいではないかと出た……もちろん「最低限」でこのくらいであるってわけで、わざわざこれから250万目指して貯金なんかしない。兎様に年間ウン十万(かろうじて100万越えた年はないけど)かけてしまうんだろうし、暇があれば旅行にも行きたくなるだろうしで、この程度の金額ですむってことはないでしょ……単なる休日出勤内の自己逃避。
SHUUBI「愛の種目」
 のっけから何の根拠もないことを書きますが、……この人、何年かしたら、いや、あと2、3年のうちにできちゃった結婚あるいは未婚の母になって、子どもに想いを捧げる歌を作りそうだ。
 というのも、アルバムタイトルからして「愛」が入っている通り、彼女が全篇書いた詞が性急に、愛、愛、愛と愛を求めているんですよ。
 これが流行りのR&Bだったら迷わず遠ざかってしまうんですが(というよりR&Bの女性シンガーっていきなり母親になるケース多くないすか?)カルメンマキからCOCCOに至るまでの女性ハードロックボーカリストの血縁らしく、漂うのは乾いた風より湿り気の入った吐息と鼻にかかった声。
 二作目以降も愛を求めるのか、それとも愛する対象を、温もりの近い人にゆだねるのか、それともまたは愛する対象を我が身に宿すのか(しつこいな)とりあえず単なるロリ不思議ちゃんなビジュアルだけじゃなさそうな人です。
▼RADIOHEAD「KID A」買ってきました。さっそく封を開けて一曲目をスタートさせると……ずっとこのままテクノの音で占められてしまうのか不安になりましたよ。現時点で全部聴いてないので、気が向いたら後日感想書きます。

10月2日(月)
In The Soup「川」
 それにしても最近の若手のミュージシャンのインタビューを読むと、フォークだろうと歌謡ロックだろうとビジュアル系だろうと「長渕剛が憧れだった」って発言している人多いねえ。今の20代ぐらいの人の心の中には、まだ混迷に陥っていなかった、軽薄の風吹く八十年代の真っ只中を、本音で生きる佇まいでもって圧倒させた痩せっぽっちの兄ちゃんだった長渕が生きているんだと実感。きっとレコード会社はトリビュートアルバムを企画するでしょう。
 そういえば92年の東京ドームのライブには、舞台設営のバイトしたことがあった。当時の私は20歳……って8年も前じゃねえかよお。自分で書いてみてぶったまげた。この時のことは詳しく書くと長くなるので、日記のネタがないときにゆずって……って長渕の話ばっかり書いてどうする。In The Soupだ。
 中尾諭介というこのバンドのヴォーカルも長渕好きである――JAPANのインタビューで発言していたイメージがあったのであらゆる先入観でもって聴いた。長渕好きだけあって、日本語を血肉としたその言葉使いは、淀みを排除しようとする逞しさに溢れている。(最初聴いた時にヒートウェイブを想起した)また同時に長渕ほど湿っていない。「歌いたくない歌」と言っても本当にふてくされて歌っていないし、「Love Song」の出だし、と言うより台詞は「ブラックバスは嫌いさ!」である。これで何で「Love Song」なのよ、と思いきや、ブラックバスなみのぬめりある単語の数々で情愛を近づけてくる。

10月3日(火)
▼昨日の日記を書いてみて「ああ、俺は昔そんなバイトをしたことがあったねえ」と自分のことながらに追憶の念に囚われてしまった。
 当時の自分は「デイリーアン」(当時はバブル崩壊の初めごろだったので、まだアンは月〜金の発売だった)の「短期でがっぽり稼ぐ」のページをチェックして、一日で一万円前後その日払いのバイトをすることが多かった。コンサートや舞台などはレギュラーのバイト以外は日雇い人員が多く、そのおこぼれに預かることも多かった。――今じゃとてもできない。まったく筋肉を使っていない上に腰を壊しているから。
▼8年前の二十歳のころより10年前の十八歳のころがリアルに感じられるのは、まだ十代の自分が多感な上に、その日その日の時間の密度が薄かったせいだろう。まだ未来のことが茫洋としすぎていた。自分の発言や行動を自覚して、責任を持つなんてこれっぽっちも考えていなかった。
 自分の二十歳以降は、結局のところ「何が役に立つか」を追求するという、せせこましい考え方が次第に頭の中を占めていくようになった。「人工芝をいかに効率よく敷いていくか(東京ドームに入ったことのある人なら、あの広さの中で全部敷きつめていくことを想像してみてください、重労働なんてもんじゃないから)」よりも、「いかに短時間でパフォーマンスのいいプログラムが組めるか」や「納期に遅れたときにいかにしてお客さんの気を紛らわせるか」(後者は成功したことがありませんが)などを考えているようになった。
 僕にはなおも無駄なものを愛する時間が必要だ。
▼夜9時に会社を出て銀座へ。11時15分に出る。
 それにしてもこの終電間際の電車の空き具合はどうしたことか。先週の給料日直後にお金を使いすぎた&涼しくなってきて薄着の若い連中が夜遊びしなくなったせいか。

10月4日(水)
▼夜9時に会社を出て銀座へ。
 11時に店を出る。
 スーツの上下を着たきりでも平気でいられる温度がやってきて嬉しい。これから寒くなるだけなんだけど、とりあえず冬眠するわけでもないのに食いまくってます。食欲の秋。
 昨日は「薄着の若者が夜遊びしなくなった」と書いた。それでも婦女子のスカートがまだまだ薄着で嬉しい……とオヤジくさいことを書きたくなる、性欲の秋、って言い回しはなかったっすね……萌えの秋、って言葉もないな。とりあえずサブカルネットテキスト系は「○○の秋」というフレーズに上記の二つを加えたいと思うでしょ、と、同意を求めてみる。
 それにしてもなぜか「酔いつぶれてベンチでごろ寝」の人に遭遇する確率も高くなってきたな。これは涼しくなるにつれてクーラーのある空間を身体が要求しなくなってきたということか……ってこの季節じゃ風邪ひくぞ。

10月5日(木)
▼「あの子ってかわいいよね〜」という視点が、男子と女子でくいちがいやすいのは、男子が「女の子の全体」を見ているのに対して、女子は「女の子の部分」を重点的に見て「かわいい」ということが多いからじゃないのか。(いくら「巨乳好き」を公言している男子でも、「巨乳だったらなんでもいい」ってわけじゃないっしょ。顔とセットじゃないとだめっしょ)
▼夜7時に会社を出て銀座へ。閉店ごろに店を出る。

10月6日(金)
▼笹川ひろし「ぶたもおだてりゃ木にのぼる」
 後書きで作者は「自分のことを書くつもりが、なぜか自分に関わった人のことばかりに筆が走ってしまうのだ」と言っているように、この本の大半を占めるのは漫画・アニメ業界に大いなる貢献をした人々の名前とエピソード。どちらかといえば作者の自伝というより、アニメの監督という立場と同じようにして、関係者を的確に評した回顧録としての意味合いが強い本。
 現在20代〜30代の人なら、かの「タイムボカンシリーズ」の世界観の恩恵にあずかった人が多いだろう。またこの人は藤子不二雄アニメにも何作か監督を務めていたりするしで、おそらく一度はこの人が手がけた作品を見ていることだろう。
 原作者などとちがって、縁の下の力持ちの地味な役目に徹していることもなく、仕事を愛して、人一倍楽しんだことが全編から伺える。特にタイムボカンシリーズは一作ごとに一章まるまる割いて作成記録を綴っている。

10月7日(土)
▼(仙台駅東口にて)
 一週間前には稲毛まで行くことすら鬱陶しがっていたのに、一週間経ったらもっと遠いところへ来ているという……。
 てなわけでいきなり仙台駅に降り立つ。ここでマイズミさんは日々女子中学生を狙って網を張っているのかと感慨にふける。(嘘です。ちなみにこの日マイズミさんは東京でオフだったらしい)
 theRoyal仙台店に行きました。あまりに突発的だったのでホテルも予約していない。店長とYさんとで手分けして探してもらって、地下鉄五橋駅付近のホテルを予約してもらいました。8時前ぐらいにお客が入り始めてきたので、一度チェックインのために外出。戻ってきたら、結城さんと抹茶さんが来店していました。10時半までしばらく談笑。結城さんは実生活とその風貌が結びつかないお方で、抹茶さんは片方のえくぼがプリティな大柄の方でした。結城さんが帰った後は11時半までしばらく話し、AさんにVSOPを入れて出て再び五橋へ。

10月8日(日)
(ふたたび、仙台駅東口)
▼9時半にチェックアウトして、仙台駅まで歩く。東北学院高校の方に寄ってみたり河北新報の方に寄ってみたり、あるいはアーケードの方をあちこち歩いてみたり、とにかく仙台駅方面に向かうこと以外に目的を作らずに歩く。
 実は仙台、今回が初めてではなく、4年前の10月にもこのへんを歩いていたが、4年前に昼食を食べた蕎麦屋や、付近の楽器店や本屋がそのまま残っていたのでびっくり――するほどのことでもないか。
(出掛けに、「仙台へ行ったら青葉城を観るのか」という話をしていたが、歩いて行ける距離じゃなさそうなのでやめた――超私信)
 仙台駅東口の「たこ福」で長蛇の列を見て「あそこまでして物を買っていくこともないなあ」と思っていたのだが、その付近の「利久」で牛舌を食べる時、11時30分の開店より10分早く着いてしまったので、結局のところ数分で「食べ物屋に並ぶ自分」の仲間入りをしていた。ランチの1.5人前を頼む。
 徒歩で確認できるぐらいの速さで進むと、取るに足らないことがよく見える。それがいちばん記憶として残ると信じている。「みちのく銀行が2000円札を使用できるATMを導入した」なんていう、地元の人以外にどうでもいいようなことを。また仙台に来たときに思い出すだろう。theRoyalの従業員様に「また来ますよねえ。だって一度仙台店に来たら、何度も足を運びにくることになるから」と言われてしまったが。
(これ以下は東京行きの新幹線の中で記す)
 んで、来ました。theRoyal仙台店店長がまだ私服でこれからの準備をしている時に。AさんYさんCさんと、順繰りにお相手してもらいましたとさ。
 特にYさんに関しては……慈愛の目で見てもらってたのは……気のせいじゃないんだろうな……いやあこれは銀座も同じだなから……んでも昨日は髪を下ろしていたのとちがって、髪を後ろで結んでいたのはかなり。(ポニーテールおよびフィッシュボーンフェチ)
 8時で出るつもりが往生際悪く8時半で出る。携帯を忘れたかもしれない、などとあたふたしながら電話して迷惑かけてしまうのもいつもと同じ。(反省)

10月9日(祝)
▼午前中だけ仕事。昨日の酒は残らなかった。
 三連休にするために9日になった今年の体育の日。朝から運動会なのかピクニックなのか、体操着の小学生とその保護者の集団をあちこちで見かける。
「運動会」という単語の響きに特別の感慨を抱かない子どもござんした。
 こないだの兎様たちとのオリンピック談義でも、臆することなく「運動嫌いだし苦手だから」と言い放ったら「あ、わかる。君っていかにもそう見えるからなあ」そう見えるのですか。風貌から「運動が苦手」というオーラを発していますか。
 今度オフか何かで私を探すときには「運動が苦手そうな奴」を目印にしてください――ってそんなのわかるかって。しかも「運動が苦手そうに見える」だけでなく「実際に運動が苦手」なんだから二重のショック。「旅人さんって運動が苦手に見えるけど、実はちがうのね。スポーツマンなのね(←今どきスポーツマンなんて言い方しない)」などと女の子に言われるならまだ救いがあるが。(誰に)

10月10日(火)
▼藤沢周「さだめ」
 アダルトビデオのパッケージでお目にかける「こんなかわいい女の子が、あ〜んなことや、こ〜んなすごいことをしちゃう」という文句は、ひと昔かふた昔前の「アイドルはトイレに行かない」という表現の、裏返しの位置にある。
 美人だろうと不美人だろうと、種を保存する機能はほぼ同等にそなわっていると考えられるはずなのに、時代が嗜みから猥雑になって、その猥雑心を駆り立てるフレーズが、交感神経を震わし始めた。
 加えて、「アダルトビデオ」という名の悪趣味なエンターテイメントが、広範囲にわたって成人男性(少年もだけど)の日常に染みわたり、「ちょっとルックスのいい女性」が匿名で仕事に従事できるという「KID A」ならぬ「GIRL A」という背景は、小説に映画に漫画にと、テーマにしやすい素材だろう。
 藤沢周はその素材をどう料理したか。人生のけだるさを一身に背負ったAVスカウトマン寺崎の思惟と、AV女優の素質を時には弱々しく時には強い形で放ち、またAVに出る切実な理由を(実在のAV女優の理由を集約して請け負わされて)持っている斉藤佑子の磁力でもって描き出した。
 寺崎が佑子の面影に向かっての「この世には正気と狂気しかない。狂気を選んだなら狂ってみせろ」という声なき慟哭には、彼もまた狂気の世界に浸れない真人間の意地が垣間見られる。
▼10時半に会社を出るつもりが11時前に会社を出て銀座へ。パスタ食べただけ。

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