Last Update 1997/11/08
〜た〜
●台北ソリチュード●
監督・脚本 リン・チェンシェン(林正盛)
出演 チェン・シアンチー リー・カンシェン チェン・シーホアン チェン・ペンユー リン・ジーロン ダイ・リーレン
1997年/国際共同制作作品/1時間58分
私は、映画館に入ってチケットを頼むまで「台北」を「たいほく」と読んでいた。(本当は「タイペイ」)
ベッドシーンが多くてからみの声やら、女優さんの肉付きのリアルさやらで十分楽しめるのだけど、それと同じくらい多いのがリー・カンシェンのパンツいっちょの姿。いくら放浪者だからって、何も屋上でパンツいっちょになって雨に打たれて自分のパンツで身体を拭くことないだろうに。風邪ひくぞ。要はこのパンツ姿が駄目青年の哀愁を身体で表現している。パンツはかなきゃ例のみっともない突起がぶらさがっているわけでしょ。チャン・ペンユーの娼婦的なヌードから伺える女性の造形美に比べ、どこか男性の体つきの造形美というのは、いびつで不格好さを引き連れてくる。
すでに「青春神話」「愛情萬歳」で見るからに「情けない青年」という顔つき(生まれながらに、だろうなあ)で青春の不燃焼を、そして煮え切らずどうしようもない男を演じたら台湾一のリー・カンシェンがまたまたやってくれました、というとこだな。今度は親離れに加えて姉離れもできていない青年というのが、私としては個人的に、身につまされる思いがしました。(1998/03/22)
●小さな恋のメロディ●
原作・脚本 アラン・パーカー
監督 ワリフ・フセイン
出演 マーク・レスター トレーシー・ハイド ジャック・ワイルド ジェラ・スティーフル
面白かった。でもくすぐったかった。(こういうのを純粋に受け継いで自分の映画に昇華させている人に岩井俊二がいるが)今の殺伐とした(と大人たちに思われている)十代にも十分通用できるイノセントだと思う。こういった青春映画は、いかにして受け手個人個人のノスタルジックな感情をくすぐることができるか、そのくすぐり具合が勝負だろう。
時代のせいもあるだろうが、エログロナンセンスと対極にある、というか、そこに毒されていない、侵されていない聖域の真髄がある。
だから、日本のトレンディドラマ系の脚本家連中がこぞって、こういった青春映画の世界を焼き直したり、自身の個性にみせかけて自分の作品に取り入れている様など、物凄く滑稽だと思うんだうよな、俺は。
だってテレビという媒体は、エログロナンセンスを提示するときにいちばん、その能力を発揮するのだから。
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