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▼小川洋子「まぶた」(新潮社)
この人の短編、本書に限らないすべての短編にキャッチコピーを付けるとしたら、たぶん「不吉」というキーワードが絡んでくると思う。芥川賞の「妊娠カレンダー」の内容や他の作品や本書をすべてひっくるめて。
発表された年代は過去五年くらい前のものをそのまま集めている。表題作は「中年男と十五歳女子の秘められた関係」となるが、そのまま耳で聞いたらロリコンものみたいだなあ。水着、なんて単語が出てくるし。実作品を読めば耽美からほど遠い世界なんだけど。
不吉な世界観の中を泳いで、それが快楽にまで発展していくような、それでいてタナトスが華開いているわけでなく、成長も破滅もすべて逃れているような、そんな表裏一体。
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