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J.D.サリンジャー『倒錯の森』(サリンジャー選書3)
・「マディソン街のはずれの小さな反抗」
「ライ麦畑」のデモテープバージョン。ここではホールデン少年がペンシー男子予備校の休暇中にサリーとスケートに行って身勝手な言動をとった、その一部始終が短編になっている。
・「大戦直前のウェストの細い女」
 第二次大戦直前の一女性の身の上。その生き方が何からしら教訓を導き出す一歩手前で止まっている。
・「ある少女の思い出」
 愛と死がからまっている。ユダヤ人の虐殺という歴史的背景を省いて読んだ方がいい。
・「ブルー・メロディー」
 本短編集の中でいちばんアメリカらしい背景を持つ。ラドフォードという少年とペギーという少女の乾いた関係も含めて。
・「倒錯の森」
 サリンジャーの数少ない中編の一つ。タイトルが何かしら淫靡な響きを持っているがまったく関係なし。「純粋」の本質を「大人であるべき」という思想が上書きしたらどうなるかという見本。「ライ麦畑」と有る意味対極にある。
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