イヤイヤ、そんな大それた事を書く訳じゃないんです。ただ、外来をやっていて、「こんなの来なくてもいいのになぁ。カルテ作っちゃった以上なんか検査して病名つけないといけないのだけど、医療費の無駄遣いだよなぁ。本人も、お金と時間の無駄なのになぁ。こんなこと、知ってれば、何時間も待って、むげに扱われた上に、無駄な検査と治療されて帰る必要ないのにぃ。」と、思うことが、とても多いので、「ウソドク」ファンの方だけにそっとお教えします。時間とお金の無駄を省いて、しかも、医療費削減に協力できる大切な知識を…。しかも、悪徳医者にもうけさせなくてすみます。(でも、そうすると私は職を失うかもしれません。)ほとんどは産婦人科関係の事なんですけれど、男女雇用均等法の施行のため、男女差別はいけないので、男の方でも読みたかったらどうぞ。ただし、「男女差別はいかん!」と言って、産婦人科には来ないでください。なにせ、事務も、ナースも、むくつけき男にはあまり免疫がないもので。もちろん私も…。

 

1.妊娠反応はご自分で/2.不正出血なんてよくあること/3.膣部糜爛はパフォーマンス病名

  1. 妊娠反応はご自分で

  スワ!妊娠。といって、すぐに産婦人科に飛び込んでくる方がいらっしゃいます。でも、それは大損。もし、単に排卵がずれたために生理が遅れているだけなら、市販品より高いお金を取られて妊娠反応された挙句、必要もない超音波検査をされて、初診料まで取られてしまう。しかも、生理がなかったら「一週間後にもう一度妊娠検査に来るように。」などといわれておどされます。

 なにせ、病院に来た以上、なにか病気を見逃せば信頼を失う。仏心を起こして、なにも検査をしないで、もし、ほかの病院に行って子宮筋腫でも発見されたら、完全に信頼を失ってしまうわけです。だから、病院にきた以上、検査しないで帰すわけに行かない。と、言う事で、何もないのに余計な検査をされて、次も必ず来るように言われるわけです。

 でも、妊娠もしていないのにそんなお金取られたら損じゃないですか。まぁ、検診ついでに病院に行こうと思うのならいいのですけれど。それに、保険使えるならいいじゃない。なんて思うのならいいんですけど。本当は、そんな事に保険使っちゃいけないんですよ。

 で、妊娠しているかどうか心配なら、自分で妊娠判定薬をかってくる事をお勧めします。市販のものでも、全く病院の物と変わりません。ただし、使い方や、判定の仕方を間違えるとうまく出ませんので、よ〜く説明書を読んでお使いください。

 妊娠していたら、病院に行ってもよいのですが、あまり慌てないでください。どうせ、超音波で確認できるのは妊娠の6週くらいです。つまり、最終生理から数えて6週間くらい経ったら病院に行くのがちょうどいいと思います。(その前に病院に来られても、超音波では見えないし、困ってしまうと言うのが事実です。)

 妊娠していなかったら、一週間位してもう一度妊娠検査をして見てください。それで、妊娠反応が出ていなければ、まず、妊娠していないと思います。でも、慌てて病院に行ってもあまり意味はありません。せいぜい、1〜2時間待たされて、3回めの妊娠反応をされて、超音波上異常なし!と言われて、お金取られておしまいです。きっと、帰り際に、基礎体温表のつけ方を教えられて、基礎体温つけて3〜4週間したら出直してきやがれ!と、優しく言われて、すごすごと引き下がる事になるでしょう。

 ならば、最初から基礎体温を3〜4週間つけていけばいいのです。なに、生理がなくたって、妊娠してなきゃ何も慌てる必要は無いのです。(妊娠していてもそんなに慌てる事はないのですけど。)そうやって、ちょっと生理が遅れると大慌てするから、ストレスがたまって、ますます生理が遅れる原因になるのですから。まぁ、辛抱して、しばらく基礎体温をつけて見てください。

 きちんと、基礎体温をつけて、「しばらく生理がないのですけど。」と、相談されると、医者も適当な対応をするわけには行かなくなってきます。そこまで、きちんとやってきていただければ、これから検査をするにしても、俄然、意味が出て来るわけです。

 それまでやって行っても、まともに検査もせず、「ハイ注射ね。」なんて言って、いきなり注射をして帰すような医者には、次から行く必要はありません。どうせ、まともに治療なんかする気はないんですから。

 で、超音波で、一応子宮卵巣の異常が無いかは調べておいた方が良いでしょう。それから、ホルモン検査、ホルモンについての簡単なお話があって、内服や注射で生理を促すようにするといったとこでしょうか。

 でも、もし、最近生活が大きく変わったとか、仕事が忙しくてストレスがあったとか、失恋したとか親が死んだとか財布を盗まれたとか酔っ払ってどぶに足を突っ込んだとか転んだ所に犬のうんこがあったとか人前でくしゃみをして鼻水が出たときにティッシュを持ち合わせて無かったとか駅のトイレでうんこをした後にトイレットペーパーが無い事に気がついたとか(^_^;;そんな事があるとしばらく生理は狂って来る事が多いので、基礎体温をニ・三ヶ月つけて様子を見てもよいのではないかと思います。

 ま、生理が遅れても妊娠さえなければ悠長に構えていただいてよろしいのです。でも、何年も生理が無いというのもちょっとね。もしかすると男になってしまったのかもしれないし…。(ウソウソ)まぁ、様子を見るのは2〜3ヶ月にしておいてください。

2.不正出血なんてよくあること

 婦人科の外来初診で、結構多いのが不正出血です。これがまたくせもの。なにせ、どの本を読んでも不正出血があると子宮癌の前兆みたいな事が書いてあるので、心配になるのが当たり前です。でも、本当にそうなんでしょうか?

 実は、不正出血があるから癌の可能性が高いという事ではなくて、子宮癌は不正出血で見つかる事が多いということなんです。つまり、お金持ちだから悪い事しているのではなくて、悪い事をすると、お金持ちになる事が多いということなんです。ん〜、ますますわかんなくなる例だな。ま、とりあえず、出血があるからといって、即、癌という事は少ないので、心配はいりません。特に、30代くらいまでの方はむやみに心配する事は無いでしょう。

 では、何が不正出血の原因かと言いますと、やはり、ホルモンのバランスの異常ということでしょう。前述しましたように、街を歩いていて、ふと気がついたらスラックスのチャックがあいていたとか、そんなストレスで(どんなストレスじゃ!)生理が止まる人もあるし、不正出血となることもあります。急に肥ったりやせたりもいけません。また、40歳を過ぎると、徐々にホルモンが減ってきて、きちんとした生理が来なかったり、不正出血があったりします。良くあるのが、中間出血です。中間出血というのは、排卵日前後の出血で、28日周期であれば、大体、生理が終わってから一週間位すると起こる出血です。時に、腹痛を伴う事もあります。

 では、不正出血があったらどうしたら良いのでしょう?まず、慌てて産婦人科にいかないことです。特に、20代の方なら、ちょっと待って!どうせ、産婦人科に行ったって、原因なんかはっきりしない事が多いのです。(私がヤブだからと言うわけではない!!)超音波検査して、癌検診して、基礎体温つけてきてね。で、おしまいです。

 まず、ココ最近の生活を反省して見てください。(人の為に謀りて忠ならざるか、朋友と交わりて信ならざるか、習わざるを伝ふるか。等と言う、高尚な反省は必要ありません。)そういえば、最近、忙しくて疲れ切っているとか、不眠気味で良く眠れないとか、熱狂的なファンだった歌手が逝ってしまったとか、関節痛がひどくてつらいとか、メールがたまる一方でなかなか返事が書けないとか(そりゃ私でした。)まぁ、いろいろなストレスがあるとすれば、まず、それが原因のひとつと考えていただいて良いと思います。ストレスを、減らす努力をしてください。もしくは、ストレスの原因が過ぎ去るのを少し待ってください。

 わたしゃ、ストレスなんかとはぜ〜んぜん無関係な生活をしてるわぁ。という幸せな方は、とりあえず、基礎体温をつけて見てください。排卵期は、低温期から高温期に移る前後ですので、必ずそのころ出血があるというのであれば、それは中間出血です。

 でも、もし、子宮癌だったらどうするの?と、思うかもしれません。でも、子宮頚癌は、初期の変化が現れてから本当の癌になるまで、約十年くらいかかると言われています。と、したら、基礎体温をつけてみる1〜2ヶ月なんて、問題になりませんよね。もし、癌やポリープなどの出血ならば、時期は不定期で何回も繰り返す出血になる事が多いので、不定期に繰り返す出血は注意です。

 と言ったわけで、不正出血があっても慌てず騒がず、まず、基礎体温を一・二ヶ月つけていただいて、中間出血や、一回きりの出血なら、しばらく様子を見ていて良いと思います。どうも、不定期に出血を繰り返すなら、基礎体温を持って婦人科に行ってみてください。もちろん、不正出血が大量に出るという場合は悠長に構えているひまはありませんから、早めに病院に行ってください。(言われなくても行くって。)

 ちなみに、基礎体温をきちんと自分でつけている方が初診でいらっしゃると、「ああ、真面目な方なんだな。」と思って、診ている方も襟を正させられるので、診療も、説明も丁寧になる事が多いのです。だから、是非、婦人科に相談に行く前に基礎体温をつけて見てください。

3.膣部糜爛(ちつぶびらん)はパフォーマンス病名

 膣洗浄で外来に通っている方は結構多いものです。きっと、一日に20人くらいはいらっしゃるのではないでしょうか。カンジダ膣炎やトリコモナス膣炎、その他萎縮性膣炎とか一般細菌による膣炎などがあります。そういう疾患の方に混じって、子宮膣部糜爛で膣洗浄に通っている方がいらっしゃいます。

 私の考えでは、本来、それらの膣炎では、膣錠による治療をすれば良いのであって、洗浄の必要はないと思いますが、(実際に、大学病院などでは膣錠の処方だけで治療している事が多い。)まぁ、一応、膣の中のばい菌などを流すということではセオリーにかなっているかなぁ。とも思います。

 しかぁし、膣部糜爛は、別です。これで、膣洗浄十回というのは過剰診療だと思います。何故なら、膣部糜爛は本来、生理的糜爛と言って、性成熟期の女性であれば、誰にでも必ずあるものです。治療指針を見ても、治療の必要があるのは帯下が多いとか、不正出血を繰り返すと言う場合に限られます。

 とはいえ、検診や、ちょっとした出血で開業医に行くと、悪い医者がいるわけです。そういう医者は大抵、膣の中を覗きながら、「これはひどい糜爛だ。」などとつぶやいたあと、おもむろに、「ひどい子宮膣部糜爛があるので治療した方がいいでしょう。もし、繰り返すようなら、レーザー治療をするほうがいいかもしれません。」などともっともらしい事をいうのです。さらに、レーザー治療をすると子宮頚癌の予防になるとか、完全にびらんが治るとかうそばっかりつきます。ガソリンスタンドでエンジンルームを見てもらうと、「こんなにオイルが汚れています。すぐ交換しないとエンジンが壊れてしまいます。」と言われるのと大して変わりません。オイル換えた次の日に行ってもそんなこと言われるのですけどね。

 前述のように、子宮膣部糜爛は、正常組織がホルモンの影響を受けて糜爛のように見えるというだけのことですから、治療の必要はありません。ましてや、糜爛を放って置くと子宮癌になるとか言って脅迫する、やくざまがいの医者もいますので、注意が必用です。

 膣部糜爛という病名は、パフォーマンス病名です。とりあえず、何か病名をつけたいときに使う程度。子宮癌を検査したときに、癌と言う名前を出きるだけ使わない保険病名として使う程度のものだと思ってください。

 なにせ、子宮膣部焼灼術1800円にレーザー照射5000円がつくので、必死になって勧めますわね。何もないところに、6800円のもうけができるわけだから、病院側も必死です。ナーンて書いちゃうと、私、給料減らされてしまうかもしれない。

 ま、子宮膣部糜爛と言うやつは、性成熟期の女性なら必ずあるものです。別に糜爛などと言う病名を言われたからといって、高いお金払って治療する事はないのですから。子宮膣部糜爛という診断を言われて、特に自覚症状がなければ、きっぱりと治療は拒否した方が得と言うものです。レーザーで焼灼したくらいで、癌が予防できるなら、みーんなやってらぁ。ホントお医者さんてう・そ・つ・き。

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