カンジダ膣炎を自分で治す方法/ラクトバシルスは善玉菌/妊婦検診そんなにいるの?

カンジダ膣炎を自分で治す方法

注意:この項目を読まれてトリコマイシンを求められる方が多いのですが、トリコマイシンは製造中止となりました。また、抗真菌剤以外の軟膏では症状を悪化させることがありますので、ご注意ください。さらに、診断を受けないで治療することは、症状の悪化の原因ともなりますので、そのあたりのリスクは十分ご承知おきください。ご自分で治療されようとして失敗しても当方は一切責任を持ちません。当ホームページに他のカンジダについて書いたページもあります。これらを読んでもカンジダについて十分に納得できない方(相手に感染するのが心配だとか、常在菌なのに治療の必要があるのかなどの疑問があるような方)は、キチンと病院にかかって相談してください。

 なんて、偉そうな事を書いたからって、全部が全部治ると言うわけではないのです。ただ、軽く一回くらいカンジダになった患者さんが、流行医者にだまされて、十回も二十回も外来に通われているのを見て、心苦しいなぁ。と思って、ま、こう言う方法もありますよって事で書いたと思ってください。とはいえ、その方法自体、病院でやっている方法なのですから、ほとんどはこれで治ってしまうと思います。

 大体、個人病院でカンジダの診断が出ると、必ず洗浄に毎日通いなさいと言われます。あれって、本当に効果があるのでしょうか?また、他の所で書いたように、大抵の薬は1〜6回くらい使えば治るようになっているのに、病院によっては、平気で2週間くらい通わせる所もあります。それって、過剰診療じゃないの?そうなんです。実は、我々、一般開業医の婦人科の外来を、「膣洗外来」と呼んでいます。つまり、婦人科の外来診療では、膣の洗浄が案外大きな割合を占めているのです。と、言う事は、個々にはそんなにコストの取れない膣洗浄ですが、何回も繰り返すことによって、大きな収入となるわけです。で、インチキな医者は、必要以上に外来に通わせたがるのです。(もちろん、薬によって、1〜6回通っていただくのは、正当に認められた医療です。)

 しかぁし、カンジダ膣炎など、健康な人であればそれ以上の危険な感染症を引き起こす事はほとんど無いのであるからして、一度自分で試してみてから病院に行ったって遅くないでしょう。もっとも病院にしてみれば、「何でもっと早く来なかったの!」と言う事になるでしょうけど、そんな事、無視無視。「ちょっと不幸が重なりまして、なかなか来られなかったものですから。」などと誤魔化しておけばいいでしょ!(ちなみに、ニューヨークで強盗に襲われたら”I'm way on the funeral.お葬式に行く途中なんですけど…。"と、言うと良いんだそうな。どこの世界でも葬式と言うのは使える弁解である。)

 しかして、その方法は!(まるで、「伊藤家の食卓」を見ているときのようにわくわくするでしょ!)トリコマイシン膣錠および軟膏の使用である。一般の薬局でも売ってます。家の近くのダイエーの薬局で売ってたもの。トリコマイシンには三つの効能があります。カンジダ膣炎、トリコモナス膣炎、細菌性膣炎です。病院で扱うトリコマイシンには抗生物質は入っていませんが、市販のものにはクロロマイセチンを含有しています。したがって、ほとんどの膣炎が自分で治せるんです。(どっかで聞いたセリフだ。フェミニーナ軟膏か?そんなものより、トリコマイシンの方が有用である。)

 カンジダの特徴は、豆腐のかすのようなカッテージチーズのような下り物が出て、痒い事です。あまりひどくなるとかゆみを通り越して痛くなる事もあります。また、風邪で(風邪には役に立たない)抗生剤を投与されたとか、膀胱炎で抗生剤をのんだとか、そんな時に発症する事が多いのです。(ちなみに、婦人科でない医者の中には、カンジダ感染症は、重症の全身性疾患か、免疫不全患者くらいにしか起こらないと思っている人がいる。よもや、自分の投与した抗生剤が原因でカンジダ膣炎になんかなっていないと信じているのです。お気をつけください。)

 で、カンジダかなぁと思ったら、寝る前にトリコマイシン膣錠を一個膣内に入れて、一日2〜3回軟膏を痒い所につければオッケーです。これで、ほとんど病院でやってる事と同じです。それを10日間くらい行なって、症状が消えれば良いわけです。

 ただし、何回も繰り返す場合は、糖尿病などの全身性の疾患を伴っているような事がありますので病院に御相談ください。かゆみより痛みの強い場合には、ヘルペスなどに合併している事もあり、注意を要します。また、ステロイドや免疫抑制剤、抗がん剤などを使っている場合は、マジで、全身性のカンジダ感染症になる場合もありますので、医者に行った方がいいでしょう。それに、妊娠中も一応きちんと診断をつけてもらった方が良いと思います。

 ちなみに、カンジダはカビの一種なので、湿気と高温がだいすきです。暖かくなってくると増えますので、特に、蒸れないように注意する事が必要です。患者さんの話しによると、ガードルをいつもはいていた方が、ガードルをはかなくなったら、カンジダになら無くなったとか、お風呂に入った後(ちょっとかっこ悪いけど)パンツはかないでしばらく乾かすようにしたら、よくなったとか、そんな話しを聞きます。また、下り物を気にして石鹸などで洗いすぎると、膣の中のpHがアルカリ性に傾くため、カンジダになりやすくなるそうです。それから、糖分を取りすぎるとカンジダになりやすいとか(カンジダが糖分を好むとか…。)膣内の、ラクトバシルスと言う善玉菌が沢山いるとカンジダになりにくいということも言われています。ラクトバシルスを含む乳酸菌飲料(ヤクルトミルミルなど)を、毎日飲んでいると良いでしょう。

 そんなわけで、カンジダというのは(健康であれば)ほとんどほかに害を及ぼす事も無いので、自分で治療してみて、治らなきゃ病院に行ってみるくらいでもいいのではないでしょうか。(もっとも、外来にかかったときに、素直にそう言ってしまうと、きっと、めいっぱい医者に文句を言われるでしょうから、適当に誤魔化しておいてください。)わたし、いつも外来でカンジダを治療しながら、こんなの自分で薬買って来て治せるのになぁ。と思ってしまうので、罪悪感を感じている次第です。病院に行くのが嫌いな方は一度お試しくださいませ。

(自分で、治療をした後、病院に行くときは少なくとも2〜3日、間をあけてください。薬を使った後、すぐに検査をしても、薬の効果が残っていて、検査結果がうまく出ないことがあります。)

ラクトバシルスは善玉菌

 上にも書きましたように、ラクトバシルスと言うのは膣の中を守るために、多大な役割を担っている善玉菌であります。所謂、乳酸菌の一種で、乳酸を産成するために、膣内を酸性に保つ事ができ、それによって、膣内を他のばい菌の繁殖から守っているわけです。ですから、ラクトバシルスと言うのは、例えば腸内のビフィズス菌のような役割をしているわけです。

 ところが、悪徳医者にとっては、これも金儲けのネタです。膣内の細菌検査をした時に、ラクトバシルスも、当然、細菌の一種として結果に出て来るわけです。普通の医者なら、「善玉菌がいるだけで、悪いばい菌はいないから問題ないでしょう。」と言って終わるわけですが、うっかり悪徳医者にかかると、この結果に赤丸なんて書き込みながら、「ほら、こんなばい菌が見つかっている。ただちに治療が必要だ!」と言われて、10日から2週間、膣洗浄に通わされる事になるのです。しかも、善玉菌を、殺すために治療をするわけですから、再検査をすると、今度は本当のばい菌が増えているわけです。それでまた、2週間の膣洗浄。そんなことをやって、ニ・三ヶ月膣洗浄を続けている人が外来にいました。それでも、通ってくるんだから、よっぽど院長を信じきっているんだろうな。

 ちなみに、我々勤務医はそういう患者さんを「信者さん」と呼んでいます。そういう患者さんが、たまにこちらの外来にかかったときに、「このばい菌は治療しなくても良いですから。」と、説明しても、「でも、院長先生が治療しようって言ってました。」なんて言って、我々の言う事なんか全然聞いてくれないし、その上、診断が院長と違うからおかしいとか言って怒られてしまうので、まったく困ってしまいます。結局、いっくら説明したって、院長の言う事が絶対なのです。だから、院長教の信者さん。そういう方は、院長がいる日に出なおしてきてくださ〜い。

 さて、カンジダの所でもちょっと触れたように、ラクトバシルスがいると、他の細菌感染にもかかりにくいと言う研究結果が出ています。ですから、膣炎を起こしやすい方はラクトバシルスを含んだ乳酸菌飲料を飲みましょう!!ちなみに、ヤクルトミルミルは、中に入っている菌種が、書いてありますが、その中にラクトバシルスも含まれています。(私、ミルミル好きです。でも、宣伝料をもらっているわけではありません。)

 と言うわけで、ラクトバシルスと言う菌種で、治療をしようと言われたら、拒否するとともにその医者に通うのはちょっと考えた方いいでしょう。何故なら、もし、知っていて治療をするというのなら、ウソつき医者ですし、知らないで言ってるのなら、藪医者だからです。

妊婦検診そんなにいるの?

 これから書く事は、話半分と思ってください。世の中、理論的にはそうであっても、なかなか納得できない事もあるのですから。ま、参考程度に聞いてください。

 妊婦検診って結構高いですよね。自費ですし、一回四・五千円とられてしまう。それに加えて、行くたびに骨の検査ができるだの、ビデオを撮れるだのといっては金をふんだくろうとするのが産婦人科の常です。あっと気がつくと、一万円で、数枚千円札をおつりにもらう程度になっている。簡単に計算してみると、恐らく一回の出産で分娩以外に十万円くらいはかかっているはずです。それも、他の所で書いた、「慣行料金」と言う闇カルテルによって、最低料金は決められていますからね。そうそう安くはなりません。

 そこで、医者に行く回数を減らしてしまったらどうでしょう。この不況の折、賢く病院にかかって節約しましょう。ただし、お産まで、一回も病院にかからないなんていうのは、ちょっと過激でお勧めできません。でも、そういう妊婦さんでも、ほとんどは問題無く元気なお子さんを生んでいらっしゃると言うのが事実です。だって、お母さんの身体に、本来備わった能力なのですからね。本当は、医者が余計な手を出す必要はないのかもしれません。

 まずは、妊娠初期に、あまり早めに病院に行かない事です。(もちろん、お産の予約数に制限があったりすれば別ですけれども。)妊娠の四週や五週で病院に行っても、胎児の姿なんてほとんど見えませんので、あまり意味はありません。前述の通り、市販の妊娠反応薬は優秀ですから、とりあえず、出血や腹痛などの異常が無ければ妊娠の六〜七週まで様子を見ていてよろしいと思います。うっかり早く病院に行きすぎると、子宮の中に赤ちゃんの袋が確認できないために、一週間後に、もう一回来院を指示されると言う事もあります。

 さて、妊娠の七週以降、十週位までの間に一度受診をして、超音波で、赤ちゃんを確認しておくと良いでしょう。その後、大体、二〜四週くらいで、再度、赤ちゃんを確認します。妊娠の七〜十四週くらいまでに、赤ちゃんの大きさを、超音波で確認して、週数のズレを修正しますので、その間には二回くらい検診を受けるようにするのが良いでしょう。また、妊娠初期の検査も、その間にしておきます。風疹抗体の検査などは、初期のうちに検査をしておかないと、あまり意味を持ちません。(二十週以降に風疹にかかっても胎児に異常は出ないと言われている。)((でも、本当は妊娠初期にやってもあまり意味はない。妊娠する前に調べておけば、陰性の結果が出た時に予防接種をする事ができる。))

 妊娠初期に、赤ちゃんの週数を確定して、血液検査を受けたら、後はしばらく一ヶ月おきの検査で良いでしょう。病院によってはひつこく、二週間おきに来院させたりする事がありますが、あまり必要ありません。もちろん出血や腹痛などの異常があれば、受診したほうが良いと思います。

 二十週前後には一度、必ず検査を受けておく必要があります。かなり赤ちゃんも大きくなってきてはっきりしてきますし、二十二週を境に流産と早産が区別されます。(つまり、二十二週になれば、万が一生まれてしまっても、生き延びる可能性があるという事。)また、子宮頚管無力症などがはっきりして来やすい時期ですし、この頃に、一度受診しておくと良いと思います。

 以後、病院によりますが、大体、三〜四週間で、検診を行なっていきます。病院によっては七ヶ月くらいになると二週間おきに来院を求めますが、異常所見や症状がなければ通常三〜四週間程度の検診です。

 

 妊娠の十ヶ月にはいる頃になると、大体、毎週検診をして、子宮口の開き具合や、赤ちゃんの下がり具合を見たり、尿検査やお腹に機械をつける検査で赤ちゃんの元気さを見たりします。三十五〜三十六週くらいからは、出産に向けて大きな変化が出てきますので、毎週の検査が良いでしょう。(毎週検査しているからといって、いつ生まれるかが正確にわかるわけではないですけどね。) 

 ま、文章で書くと分かりにくいのですが、怪しい産科にかかると、巧妙に操作して、一回でも検診の回数を増やそうとしますので、注意が必要です。例えば、上の方法で行くと、妊娠七週で初診を受けたとして、7、9、13、17、21、25、29、32、35、36、37、38、39、40(三十週を超えてから3週間おきの検診とする)と、それでも14回の検診をしています。一回の検診が、5000円程度ですから、7万円位かかることになります。(割引券や検査を考えずに)しかし、某病院では、早めに来る方も多いので、妊娠五週くらいで初診とすると、5、7、9、11、15、19、23、25、27、29、31、33、35、36、37、38、39、40 で、総計18回の検診になります。上と比べても、2万円ほど多めにかかる事になります。ああ、で、外来患者さんが多いんだ。そういう訳かぁ。

 これは、ひとつの例ですが、ちょっとした事で、妊婦検診なんてすぐ回数が増えてしまうと言うことです。二週間おきを三週間おきにするだけでもずいぶん違うわけですよね。ですから、賢い妊婦さんになって、少しづつ必要な(不必要な)経費を削ると良いのではないかと言う、ひとつの提案です。ただし、何か異常があるような場合、何か症状があるような場合には自己判断で来院日を延ばしてしまったりすると、大変な事になることがありますので、注意してください。(ただし、そういうときには、大抵、保健診療となっているはずです。)

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