ドップラーの効果2009年11月26日 

救急車のピポー ピポー・・・という音は救急車が近づいてくる時は少し高く聞こえ、遠ざかる時は低く聞こえます。注意して聞いてみてください。消防車や電車の警笛でも確めることができます。
このように波源(波を出す救急車や消防車など)が近づいたり、遠ざかったり、また逆に観測者(聞いている者)の方が、波源に近づいたり、遠ざかったりすると、音が高くなったり、低くなったり変化します。
この現象は音や光など波について起こります。
オーストリアの物理学者 ドップラー(Doppler)が発見し、ドップラーの効果といいます。
打ち上げたロケットの追跡、ピッチャーが投げたボールの速さ、スピード違反車の速さなどの測定に使われます。

1、 波の表し方
波について説明します。
波の山から山まで、あるいは谷から谷までを波長(λ)といいます。
1秒間に観測される波の数を振動数(f)といいます。
音の場合、波長が短くなると振動数(f)が大きく、高い音に、波長が長くなると振動数(f)が小さく、低い音になります。
光の場合、波長が短くなると青白い色に、波長が長くなると赤っぽい色になります。
波の山の高さを振幅といいます。振幅が大きいと音は大きく、光は強くなります。

2、ドップラー(doppler)の効果
観測者は静止していて、波源が運動する場合を下の図で説明します。
図は波源から、1秒間に4つの波(4波長)を出したとしました。

@、波源Aは動かない。
A、波源Bは4つの波を出す間に赤の矢印分遠ざかる場合です。波長が長くなるのが分かります。
B、波源Cは4つの波を出す間に赤の矢印分近づく場合です。波長が短くなるのが分かります。

3、ドップラーの効果の応用
ドップラーの効果による波長や振動数の変化量は、波源が遠ざかる速さや近づく速さにも関係があります。
@、銀河からの光を調べると、波長の長い赤の方へずれているのです。しかも遠くにある銀河ほどずれが大きいのです。
 銀河は私たち銀河系から遠ざかり、遠い銀河ほど速いスピードで遠ざかっていることを意味します。
 銀河から私たちの銀河系を観測したら、遠ざかっているのです。
 銀河はお互いが遠ざかり、宇宙は膨張しているのです。

A、ロケットの追跡
 打ち上げたロケットからの電波を受信し、その周波数のずれを調べていればロケットが遠ざかる速さを知ることができます。

B、ピッチャーが投げたボールのスピード
 電磁波を投げたボールへ当て、反射してくる電磁波の振動数のずれを調べて、ボールの速さを測定します。

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