小惑星イトカワで資料採集中学生、高校生の皆さんへ

 探査機 ”はやぶさ”が小惑星イトカワへ着陸し、表面の資料を採集するのに成功したようです。(2005年11月26日)

 探査機"ハヤブサ”は地球へ戻る望みが出てきたようです。(2009年12月4日、朝日新聞)

1.惑星探査機「はやぶさ」
探査機「はやぶさ」は2005年11月 小惑星イトカワに着陸することに成功しました。
しかし、資料採集を2回試みましたが、想定通りに採取装置は起動せず、採取できたか不明です。
惑星探査機「はやぶさ」は4基のエンジンのうち3基が故障して、地球への帰還は絶望視されていました。

宇宙航空研究開発機構の国中均教授によると、故障した2基のエンジンを組み合わせて、1台分のエンジンの働きをさせるのに成功しました。(2009年11月11日)

2基のエンジンの推進力なら地球へ戻る望みが出てきたようです。(2010年6月 帰還予定)

2003年5月に打ち上げられた惑星探査機「はやぶさ}が7年ぶりに地球に帰って来ます。
2010年6月13日23時に大気圏へ突入し、切り離されたカプセルはオーストラリアの砂漠へパラシュートで落下し、無事に回収されました。

カプセルには小惑星イトカワで採取を試みた表面物質が入っていると思われます。



惑星探査機「はやぶさ」に伴う研究(宇宙機構宇宙科学研究所)

@回収されたカプセルから資料容器が取り出され、X線で内部が点検されたが、1mm以上の砂は入っていなかった。
着地で舞い上がった微粒子が入っていないか調べているようです。
A耐熱材
 カプセルが大気圏へ突入するとき、大気との摩擦熱で3000度に耐える「熱シールド」がカプセルの近くで回収されました。
 この素材は炭素繊維入りの強化樹脂で日本が独自に開発したようです。
 熱シールドは、耐熱材に目立った傷はなく、溶け方は均一で、十分な厚みが残っていた。
B軌道修正技術
カプセルはオーストラリアの着陸予定地点から1.1kmしかずれていなかったようです。
また、小惑星イトカワへの着陸では、画像を自動解析しながら狙った場所へ着陸できたようです。
Cイオンエンジンの停止に伴う研究

 


カプセルを切り離したはやぶさは、流星の火球のように火花を散らしながら落下しました。
下に写っているのがカプセルです。

カプセルはパラシュートが開いて無事回収されました。
小惑星イトカワの物質が入っているとよいですね。(2010年6月13日23時)

 小惑星イトカワ

惑星探査機「はやぶさ」

2. 小惑星について
太陽系の惑星と太陽との間の距離についてはボーデの法則(Bode’s low 1772年)があります。 
  距離=0.4+0.3X2ª (地球と太陽との間の距離を1とする天文単位) ª は水星=−∞乗、金星=0乗、
  地球=1乗、火星=2乗、(  )=3乗、木星=4乗、土星=5乗,・・

水星 金星 地球 火星 ( ) 木星 土星
ª −∞
ボーデの法則
 天文単位
0.4 0.7 1 1.6 2.8 5.2 10.0
実測地
 天文単位
0.39 0.72 1.00 1.52 5.20 9.54


 この法則は偶然に作られた数列ではありますが、3乗の( )に惑星があるのではないかと推測されました。
観測したところ、1801年イタリアのシシリー島で最初の小惑星ケレス(Ceres 女神の名前)が発見されました。
ケレスの直径は950Kmである。その後、火星と木星の間には多くの小さい天体が分布していることが分かりました。これが小惑星です。
 大きいものではパラス直径500Km、ベスタ400Kmなどがあります。多くは直径が数Km以下です。
 軌道が確定された小惑星は現在、約9000個あります。
 イトカワは1998年に発見され、ロケット開発で有名な糸川秀夫博士にちなんで名付けられた小惑星です。
大きさは570m〜210mあります。写真参照