加速される地球温暖化     (08 /2月28日加筆)

 地球温暖化によって異常気象、旱魃や砂漠化、氷河の融解や海水の膨張による海面の上昇 、動植物への影響など様々な現象が生じている。



 アメリカのミューア氷河の変遷、写真左は1941年8月13日、写真右は2004年8月31日 氷河が湖になる。(National snow and ice Data Center)
氷河の末端には氷河が運んできた岩片(モレイン)がたまっている。氷河の湖はモレインが氷河のU字谷をせき止めてできている。崩れやすく決壊が心配される。
ヒマラヤには決壊の心配な氷河湖が200もあると言われている。


                                  ツバルの写真

 南太平洋のツバル(Tuvalu)は平均海抜高度が2m、人口1万人の小さなさんご礁の島である。
10数年前から大潮になると湧き出る水で町が浸水する(写真左)。侵食が進む海岸(写真右)。
 インド洋のモルジブは人口30万の島国であるが、2100年には島の大半が水没してしまうと言われている。
 東京湾、大阪湾、伊勢湾など満潮時に海面より低くなるゼロメートル地帯は海面上昇の影響が心配される。
 
地球温暖化は人類の化石燃料使用により放出する二酸化炭素が主たる原因である。過去100年間に大気中の二酸化炭素は30%以上増えている。
IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change 人類活動による気候変動の影響を調べている国連の下部組織)から、二酸化炭素など温暖化ガスの削減が進まない場合、今世紀末までに気温が1.1〜6.4℃上昇し、海面は19cm〜58cm上昇するという報告があった。(2007年2月第4次報告)

下記のような温暖化を加速させる原因もある。

加速の原因1
 地球の表面が受ける太陽からのエネルギーは大部分が赤から紫までの可視光線である。地表で太陽光線に直角な面が1分間に受ける量は1cm²あたり1.94calであるが、吸収される量は物質の反射率(アルベド)によって異なる。
 地表に到着する太陽光線を100とするとき地表の物質の反射率は次のようになる。
雪面:70〜80%、草原:10〜33%、岩石:12〜15%,乾土:14%、湿土:8〜9%、水面:2〜71%(水面は光線の入射角度による変化大)
 グリーンランド、アラスカ、シベリアなどの北極圏は、これまで夏でも、氷や雪に覆われ、太陽光線の70〜80%は宇宙へ反射されていた。
しかし温暖化が進み、氷や雪に覆われていた面積が縮小し、反射率の少ない土や岩石が露出し、太陽光線を吸収する量がどんどん増えている。これは悪循環で温暖化を加速させる。


加速の原因2
 グリーンランド、アラスカ、シベリアなどの北極圏には永久凍土(*1)が広く分布している。この永久凍土には有機物から生成された多量のメタン(*2)が閉じ込められている。
 地球の温暖化によって、グリーンランド、アラスカ、シベリアなどの永久凍土が融けはじめ、閉じ込められていた二酸化炭素やメタンが大気中へ放出されはじめている。
メタンの温室効果は二酸化炭素の約20倍と言われている。放出される二酸化炭素やメタンは永久凍土の融解と共に増加し、地球温暖化は予想以上に加速される。

朝日新聞(08年1月19日)より
海洋研究開発機構がシベリア東部のヤクーツクにおける観測を発表した。

ヤクーツクの年平均地温(深さ1.2mの温度)が急上昇している。
      1998年〜2004年   平均 ー2.4℃
      2005年          平均 −1.4℃
      2006年          平均 −0.4℃

ヤクーツクの夏に融ける永久凍土の深さが2倍になった。
     2000年頃       約1m
     2007年頃       約2m
結果、永久凍土が融けた場所にできる湖沼の面積が3.5倍に拡大、川の増水、道路の陥没などの被害がでている。

*1:永久凍土は0℃以下の状態が2年以上続く土壌のことで、北極圏には数メートルから数百メートルの厚さで分布している。
*2:メタンは 気候が温暖な地質時代の植物や海底の堆積物から分解したもの,石油や天然ガスも同じようにできる。

加速の原因3
 バイオ燃料を得るため、熱帯雨林が伐採され、アブラヤシやトウモロコシの栽培が盛んになってきた。
熱帯雨林は湿地帯で枯れた植物の分解が進まず、泥炭ができている。(カーボン・ニュートラルの状態ではない)
湿地帯の熱帯雨林が伐採されると乾燥が進み、酸素が供給されるようになる。
酸素の供給で泥炭は分解され二酸化炭素やメタンを放出する。
植物は光合成で二酸化炭素を使う、熱帯雨林が伐採されると光合成が行われなくなる。

温帯のヨシやマコモが生える湿地帯でも泥炭が堆積しているので、自然のままにしたい。
成長が止まった木や森林も枯れた枝や落葉が毎年堆積し、完全には分解されていない。カーボンニュウトラルの状態ではない。自然林は大事にしなくてはならない。

  これらの現象によって地球温暖化は予想をはるかに超えて急速に進むに違いない。時間的余裕がない深刻な問題である。
経済発展や目先の便利さに偏り、自然環境の保護を犠牲にし、バランスが崩れている。
危機感を持って対処しなくてはならないし、不便も我慢しなければならない段階にきている。 
温室ガス排出量を各国間で売買するような対策では手遅れになる。

自然環境保護のための提案,これくらいの不便はがまんしなくては!
@コンビニの23時以降の深夜営業廃止、
A自動販売機廃止。
 ポイ捨てのカンも少なくなり、一石二鳥である。
B通勤には電車、バスを使う、或いは二人以上の相乗りにする。
 ガソリンの使用量が少なくなれば、原油の価格は下がるはずである。
 自家用車が少なくなれば渋滞はなくなるし、道路にかける予算も少なくてすむ。
 ガソリン税の暫定税率は自然保護に使う環境税として延長する。
Cライトアップや深夜のネオンサインなどやめる。
D24時以降の深夜テレビは放映しない。ラジオでがまん!
E新聞のチラシは大きさや企業が出す枚数に制限を加える。
F暖房を必要とするハウスの農産物は止める。季節の野菜、果物でがまんする。
 

私の心がけ

@ 外出は自転車か徒歩、遠くは電車、バスを使う。
Aこの冬から湯たんぽを使用している。
夜 湯たんぽへ68℃のお湯を入れると、翌朝 お湯の温度は38℃ある。
布団に入ってからのエアコン等による暖房は必要なくなった。(1月26日測定、朝7時の寝室温度約8℃、羽毛の布団使用)