河川のはたらきと地形小中学生の皆さんへ 

火山ができたり、平野が隆起や傾斜すると、新しい河川ができ、流水は平らな地表を浸食して、谷をつくります。谷と谷の間には平らな面が残っている地形を幼年期の地形と言います。河川の浸食が進むと上流にはV字形の深い谷と険しい山々ができ、下流には平野が広がり、河川は蛇行するようになります。このような地形を壮年期の地形といいます。日本の多くの地形は壮年期の地形です。
やがて、上流の険しい山々も浸食されると、流域は広い平野になり、河川のはたらきは無くなり、老年期の地形になります。
富士山は幼年期の地形で、愛鷹山は壮年期の地形です。

皆さんの近くにある河川や地形を調べてみませんか。
白地図(2万5千分の1や5万分の1)で調べてから、野外観察するとよいと思います。


幼年期の地形、小さな谷が出来始めた。(富士山)

1.河川の水のはたらき
 @浸食作用
  谷を流れる水は両岸や河底を削り、深い谷を作ります。その形からV字谷と呼びます。
  氷河が削った谷はU字形をしています。このような削るはたらきを浸食作用と言い、河川の上流で盛んです。
  河底の岩によくある丸い穴は「おうけつ」といい、穴のなかにある丸い石が回転して削った穴です。
 A運搬作用
  河川の水は削った土、砂、礫を運ぶはたらきもします。この運搬作用は流れが速い河川の上流から中流で盛んです。
  土は泥水となって海まで運ばれます。
 B堆積作用
  流水の速さがのろくなると、運ぶ力が無くなり、大きな礫(石ころ)から小さな礫、砂と順に堆積します。
  河川が山から平野へ出たところには扇状に礫や砂が堆積した扇状地ができることがあります。
  蛇行した河川には三日月湖ができることがあります。(下の写真)
  河川が海や湖に注ぐ付近には三角州ができます。


三島市 長伏にある狩野川の三日月湖 2008年9月17日


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