近い恒星の距離 地学を選択する高校生の皆さんへ

1.近い恒星の距離
基本は三角形の一辺(基線)と、2つの角度が分かれば、この三角形の全ての辺が分かるということです。(三角測量)
地球上離れた2つの天文台の距離を基線として、接近した小惑星の角度を望遠鏡で測定し距離を求めます。ケプラーの第3法則を使って、地球と太陽の距離をもとめます。詳しい説明は省略しますが,約1.5億km(0.0000158光年)です。
地球と太陽の距離( a )を基線として、恒星の年周視差( p" )を観測し、 d=3.26/p 光年  の式で恒星の距離( d )を計算します。
(地球の自転と公転を参照)



年周視差の説明図

d = 3.26/p 光年 の説明
年周視差 ( p" )は極めて小さな値です。地球と太陽と恒星の三角形を次のように考えます。
地球と太陽の距離 a は恒星を中心とする半径dの円の弧と考えます。
中心角と弧の長さは比例するので、次ぎの比例式が出来ます。
         a/2πd = p /360X60X60      (360°を360X60X60”に変えた)
         ∴ d=aX360X60X60/2πp         (1)

地球と太陽の距離 a=0.0000158光年とπ=3.14を入れると

          d=3.26/p  (光年)  

問い。 シリウスの年周視差を p=0.379”として、シリウスの距離を求めよ。(解答 8.6光年)      


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