小・中学生の皆さんへ
月面の模様については「ウサギが餅をついている」、「カニ」、「女性の横顔」などに見えると言われます。
月の写真にカーソルを置いた画像は「女性の横顔」の説明です。
いつも同じ模様が見えますが、月はどのような運動をしているのでしょう。
月 2008年10月9日(月齢11日) デジカメに300mm望遠レンズで撮影。
月の自転と公転
月は同じ面を地球に向けて、地球のまわりを公転しているから、同じ模様が見えるのです。
月の公転の方向は地球の自転の方向と同じ西から東の方向です。北極の空から見ると下図のようになります。
地球に向けている月面の地形クレーターを使って説明してみます。(下図参照)
Aの位置:黒い点で示す地形クレーターは月面で右はしにあります。
90度公転した、Bの位置:地形クレーターは月面で上はしになりました。90度自転したことになります。
180度公転した、Cの位置:地形クレーターは月面で左はしになりました。180度自転したことになります。
あとは省略しますが、このように、月は地球に同じ面を向けて1公転する間に1自転しています。公転周期と自転周期が同じです。
月の公転周期は恒星を基準に観測すると約27.3日です。これを1恒星月といいます。
月の自転と公転
1朔望月(さくぼうげつ)
地球から見て月が太陽と同じ方向になったときを新月または朔(さく)といいます。
地球から見て月が太陽と180度の方向になったときを満月または望といいます。
新月から新月、あるいは満月から満月までを1朔望月といい、約29.53日です。新月を基準にすると、月は1日に約12.2度太陽から東へ離れていくことになります。
公転周期の1恒星月27.3日との差は地球が公転しているため、太陽の位置がずれるからです。
太陰暦
月のみちかけの観測は楽であったこと、夜の活動に月の明かりを頼りにしたなどから、古代から1朔望月が暦に使われていました。これを太陰暦と言います。
太陰暦では29日の小の月と30日の大の月をおきます。
平均は (29+30)÷2=29.5日 になります。
1ケ月につき 29.53日ー29.5日=0.03日不足します。
33ヶ月経つと約1日(0.03X33=0.99)になるので、小の月を大の月にする等の操作が必要です。
太陰暦を季節に合わせるのにも苦労し、使われなくなりました。
我が家の近く、三島市大宮町2丁目に「三嶋暦師の館」があります。鎌倉時代から明治16年まで、三嶋暦が作成されていたようです。
暦を作るのには天体観測が必要です。古文書が残っていないので正確な位置は分かりませんが、天体観測をした天文台が大宮町2丁目4−10付近にあったようです。「三嶋暦師の館」は一般公開されています。
月の満ち欠け
よく聞く月を説明します。
新月:太陽光線の当たらない月面を地球に向けているので、地球から月は見えません.。地球、月、太陽が一直線になると、地球から見て月が太陽を隠す日食が起こります。*1
三日月:新月から3日過ぎると、月は太陽から約37度東の方向になります。昼間、太陽の東の空に白い三日月が見えます。夕方、太陽が西の地平線に沈むと、三日月は西の地平線の上で図のように輝いて見えます。
上弦の月:新月から7日ほど過ぎると、月は太陽から東へ90度離れ、日没後、西の空に上半分が欠けた上弦の月が輝いて見えます。
満月:新月から15日過ぎると、太陽と月は180度離れます。太陽が西の地平線に沈むとき、満月が東の地平線から出てきます。太陽、地球、月が一直線になると、地球の影に月が入り、月食になります。*1
下弦の月:月が太陽の西側に90度離れたときです。、午前中、西の空に下半分が欠けた白い下弦の月が見えます。
*1:地球が太陽の周りを回る公転面と月が地球の周りを回る公転面が5度ほど傾いているので、一直線に並ぶことは少ない。従って日食や月食は容易に起こらない。
下弦の月(月齢21.8日) 2008年10月20日 朝7時25分撮影、昼間の白い月