2017年2月
東京から約1000Km南にある小笠原諸島の西之島付近に、2013年(平成25年)11月20日頃、火山噴火する島が発見された。国土地理院は12月4日に航空機観測を行い、その調査結果を2013年12月11日に発表した。新島の面積は約5万m²(東京ドーム位)、最も高い場所の海抜高度は約27mあるようだ。
西之島は1702年スペインの船が最初に見つけた無人島で、絶滅危惧種のオオアジサシの生息地として知られている。
西之島付近には40年前の1973年(昭和48年)にも噴火して島ができたが、その後、波によって浸食されてしまった。
・2013年11月20日頃発見された西之島付近の新島は溶岩の流出が続き、西之島も一部を残し覆われてしまい、成長を続けている。
・2016年10月20日 火山学者ら7人の調査団(代表 武尾実)は島の西側、旧島の草の生えた部分に上陸し調査をした。雑草はオヒシバ、イヌビエ、スベリヒユ、野鳥はアトリ、アオツラカツオドリ、ハクセキレイ、昆虫はトンボ、ガの幼虫、ハサミムシなどが確認できた。溶岩は安山岩であった。
外部から生物の持ち込みを防ぐため、 沖合30mから泳いで上陸した。 |
・ 2016年7月19日 西之島の大きさは東西方向約1930m、南北方向1950m、総面積約2.68平方Kmに成長した。噴気活動や火山ガスの放出は見られなかった。
成長した西之島 2015年8月 (2015年8月23日NHKテレビ) |
西之島 2015年8月 (2015年8月23日NHKテレビ) |
噴火中で近寄れない新西之島はラジコンヘリコプターで採石調査されている。 噴出された溶岩は安山岩であることが分った。(2015年8月23日NHKテレビ) |
2015年2月23日 一部を残して、西之島は新島の溶岩に覆われた。 |
2014年7月2日の写真 新島は西之島と一体となり、全体の面積が約1.3平方Kmに成長した。 最近は1日約20万立方mの溶岩を噴出している。積み重なった溶岩が海へ崩落し、 津波を起こす心配がされている。上の方に白っぽく見えるのが旧島の西之島。 |
朝日新聞社機が2013年12月25日 撮影 溶岩を流出して成長する火山島が西之島(上)につながった。西之島の面積が約2倍になった。 接触部に褐色の水が溜まった池ができている。この池は直ぐになくなるだろう。 |
2013年11月20日頃の新島噴火の様子。 |
2013年11月22日 |
2013年12月12日 朝日新聞の記事 |
新島の中心部には最初噴火したと思われる中央火口(仮称第一火口)がある。(黄色の円) その後の噴火で第一火口は不鮮明になっている。 黄色の矢印は第一火口からの溶岩流。 新島の南西部には遅れて噴火活動したと思われる火口(仮称第二火口)がある。(青色の円) 青色の矢印は第二火口からの溶岩流。 |
第二火口縁の最も高い場所(海抜高度27m)が記入されている。 |
噴火活動はスコリアを放出する爆発的噴火から溶岩を流出する噴火に移ったようである。 第二火口(仮称)からの溶岩は西之島の方向へ流れ、海を埋めている。蒸発霧が見える。 写真左の西之島との距離は約50mだそうです。 |
新聞の写真を見ての考察。正確では有りません。参考まで!
@第一火口からの溶岩流(黄色の矢印)は放射状に流れ、新島を広く覆っている。
A第二火口からの溶岩流(青色の矢印)は第一火口からの溶岩流の上を流れているので、第一火口より第二火口の方が新しいことが分かる。
B溶岩流の表面には小さい穴が沢山あるが、噴石が軟らかい溶岩の表面へ降下した跡や気孔のようである。
C表面が滑らかなパホイホイ溶岩やクリンカー状のアア溶岩が観察できる。またパホイホイ溶岩がアア溶岩へ変化する様子なども観察できる。
D新島の南西海岸や第二火口の周辺には白い噴煙が見える。また海岸には未だ温度の高い溶岩に接した海水の蒸発霧が観察できる。
E 2013年12月20日の観測では、噴火活動がスコリアを放出する爆発的噴火から溶岩を流出する噴火に移ったようである。
第二火口(仮称)からの溶岩は西之島の方向へ流れ、海を埋めているようだ。海岸には蒸発霧が見える。
西之島との距離は約50mで、このような溶岩の流出が続けば繋がりそうである。