鳥類の祖先は羽毛恐竜か  2013年3月23日 

 「始祖鳥が鳥類の祖先である」といわれたが、羽毛恐竜の化石発見で変わったようである。 「生物進化 101の謎」(瀬戸内烈司 監修)、「137億年の物語」(著者 クリストファー・ロイド)を参考にした。

1.爬虫類のトカゲと中生代に繁栄した爬虫類の恐竜とはどこが違うか。

@ トカゲ
 トカゲの足は体の側面から横向きに生えている。トカゲは体をくねらせて歩き、早く歩けない。
A 恐竜
 恐竜は「直立二足歩行する」という分類の定義がある。恐竜の足は付け根から下向きにのびていて、足が動き易く、早く走ることが出来る。
鳥類の足も恐竜のように、下向きにのびていて、歩き易く、ダチョウのように早く走る鳥もいる。
(植物食の恐竜に4足歩行する恐竜がいるが、二足歩行していたものが4足歩行にもどった形跡がのこっているそうだ。)

2.始祖鳥の化石と羽毛恐竜の化石について

@ 始祖鳥
 ドイツ人のヘルマン・フォン・マイヤーは1861年 ゾルンホーフェン地方の採石場で見つかった化石に「始祖鳥」と名付け、最初の鳥と発表した。
始祖鳥は約1億4000万年前のもので10体程化石が見つかっている。、全長約45cmのカササギくらいの大きさで、前足はかぎ爪の生えたつばさになっていて、飛ぶことができたようである。始祖鳥を始めとする鳥類は爬虫類でもなく、哺乳類でもなく独自のグループ、鳥類として扱われてきた。羽根を持つようになる進化の過程はわからなかった。始祖鳥は鳥類の祖先ではなく、羽毛恐竜ではないかと思われる。


始祖鳥の化石

A 体が羽毛に覆われた羽毛恐竜
 1990年代、中国の遼寧省では、1億3000万年前、近くの火山の火砕流によって、火山灰に埋もれた動物や植物の化石が多数見つかった。イタリアのポンペイがベスビアス火山の火砕流におおわれた時のように、火山灰に埋もれた化石は保存状態がよく、羽毛まで、きれいに保存されていた。
発掘された無数の化石から、さまざまな羽毛恐竜が発見された。最近見つかったミクロラプトルは小型の羽毛恐竜で、飛ぶのに適した羽根や鳥類と同じ気のう(気嚢)※があり、木を登るのに適したかぎ爪を持っていた。カラス程の大きさだが、尾が長く、全長は約90cmある。

※気のう:鳥類の胸部や腹部にある空気をためておく袋で、肺の酸素が不足するのを補う働きをする。鳥類は気のうがあるので、空気が薄い上空も飛び易い。


羽毛恐竜の化石

まとめ
 羽毛恐竜は足の骨格、飛びやすい羽根、気のうをもっているなど鳥類に似ていることから、鳥類は羽毛恐竜が進化したものであり、また始祖鳥は鳥類ではなく羽毛恐竜ではないかと考えるようになった。
 大部分の恐竜は6550万年前(中生代白亜紀)で絶滅したのだが、羽毛恐竜は鳥類に進化して残っていることになる。

戻る