スマトラ沖大地震

 インドネシア・スマトラ島沖で2004年12月26日に起きた巨大地震はユーラシア大陸プレートとインド・オーストラリアプレートの境のスンダ海溝で発生した。マグニチュードがM=9.0あり、大津波が発生した。死者は20万人に達する大きな被害が発生した。
 南北1000Kmに及ぶ震源断層面は図のように震源断層面A(長さ約400Km)そして震源断層面B(長さ約500Km)の順でずれたようである。観測結果から、震源断層面Aは普通の周期の振動であったが、震源断層面Bは周期の長い、ゆっくりした振動で、その揺れは2分15秒も続いた。
 震源断層面でのプレートのずれる速度がゆっくりで、津波が伝わる速度に近く、津波に津波が重なり、振幅が大きくなり、大津波になったと考えられる。これはジェット機の速度が音の速度に等しくなった時、衝撃波が発生するのに似ている。(津波を音波に、跳ね返るプレートの運動をジェット機の運動に置き換える)
 震源断層を境にして、東方の海岸(マレーシアなど)では、はじめ海水が引いてから津波がやってきて、西方の海岸(スリランカなど)では、いっきに津波がやってきた。最初の波が谷、すなわち、海水が引く原因として、次のようなことが考えられる。(東西方向の垂直断面図)
1、ユーラシア大陸プレートが跳ね上がる時、プレートのエの部分は下がる。従って海面イも下がる。
2、プレートの跳ね上がりで、アの海水が上昇するとウのような流れが生じ、イの部分は下がる。
その他、海底陥没による地震のときも海水が引く。
 電波により津波情報を世界的に流すなど、津波についての対策や知識を一般に行き渡らせることが大切である。
 今、心配されている東海地震はM=8クラスだが、東海地震、東南海地震、南海地震が同時に起きると、スマトラ沖地震に近い巨大地震になる可能性も考えられる。「自然科学と実験」の 東南海地震と南海地震の確率予報 を参照。