膨張する宇宙小学生・中校生の皆さんへ   

1.私たちの銀河系

宇宙の中で、私の住所は銀河系→太陽系→地球→日本→静岡県→三島市大宮町となります。
太陽や数千億個の恒星、星間物質(*1)などの集まりを銀河系といいます。夜る見える星の大部分は銀河系の恒星です。
銀河系の大きさは直径約10万光年、厚さ約1万5千光年あります。
私たちの太陽系は銀河系の中心から3万光年付近にあります。
銀河系の中にいるので、外から見たようすはよく分かりませんが、天の川など恒星の分布から渦巻き状をしているようです。(下図)

2.宇宙の銀河

銀河系のような恒星の集まりを銀河とよびます。銀河はいろいろな形をしています。(下図、写真)
大望遠鏡を使って観測すると、銀河系から遠く離れた彼方に銀河がたくさん見つかります。
宇宙にはこのような銀河が約1兆個あるといわれています。
私たちの銀河系は、アンドロメダ銀河(写真)など30個ほどの銀河が集まって銀河群をつくっています。



アンドロメダ銀河

3.遠ざかる銀河

銀河からの光を調べると、私たちから遠ざかっていることが分かります。(*2)
しかも、遠くにある銀河ほど速いスピードで遠ざかっています。

4.膨張する宇宙

銀河がお互いに遠ざかるようすは、ゴム風船の表面へ、たくさん銀河を描いてゴム風船をふくらませるのに似ています。
ゴム風船の表面が宇宙です。宇宙にはゴム風船の表面のように、中心もはてもないのです。
そして宇宙は膨張しているのです。

5.ビックバン

宇宙が膨張しているということは、逆にどんどんさかのぼれば、宇宙はどんどん小さくなります。
ついには,超高温、超高密度、超高圧で無限のエネルギーを持つ状態になります。
この無限のエネルギーのかたまりが宇宙のはじまりで、大爆発(ビックバン)したと考えるのです。
これがアメリカの物理学者ガモフが考えたビックバン宇宙論です。
宇宙の考えには他にもあります。皆さんも宇宙を考えてみてください。
宇宙の年令は137億年といわれています。


*1 星間物質: 恒星と恒星の間には散光星雲(オリオン座の大星雲)のように、恒星の光を反射している物質や暗黒星雲のように背後の恒星の光を遮る物質、電波を出す物質などがあります。この物質は水素やナトリウムなどの宇宙ガスや細かな個体の宇宙塵です。
星間物質が集まって恒星が生まれると考えられています。
宇宙の物質の80〜90%は観測できない星間の暗黒物質(ダークマター)だと考える研究者もいます。

*2 私たちから遠ざかる物体がだす波(音や光など)は波長(波の山から山までの長さ)が長くなってとどく。
   逆に近づく物体がだす波は波長が短くなってとどく。これをドップラーの効果といいます。
   銀河からくる光を調べると波長が長い赤っぽい色をしているのです。
   ドップラーの効果のページをご覧下さい。

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