新型コロナウイルスは人類をおびやかす. 2021年2月 更新中  

1,新型コロナウイルス
 新型コロナウイルス(SARS-Cov-2)は,2019年12月中国の武漢で最初の発症者が出たとされている.米国,ブラジル,ロシア,英国,スペイン,イタリア,中国,フランスなどは,爆発的な患者の増加(オーバーシュート)が起きた。新型コロナウイルスは,感染力が強く,感染しても,症状が出ない人が多く,感染者が広がり易い。
 2020年11月初旬には、"第3波”と考えられる急激な増加が始まり対応に苦慮している。有効な治療薬やワクチンが急がれている。
 日本は経済の落ち込みを心配し、GOTOトラベルなどを行ない初期対応が遅れたため、2021年1月に東京を中心とする多くの県で感染者が急増し、緊急事態宣言を出したが、抑える事ができない。
 感染しやすい変異した新型コロナウイルスがアフリカやイギリスで見つかり、またブラジル型などが新たに見つかり、流行を始めたようである。日本では三島市で変異した新型コロナウイルスの感染者が4名見つかった。(2021年1月末)

 新型コロナウイルスの第3の波は、国民の協力と努力によって、下降を始めた(2021月2月はじめ)。今が大事な時で、新型コロナウイルスの感染者の増加が 0 になるように皆さん頑張ろう!もし0にすることができたら、台湾やニュージーランドのように、外国からの新型コロナウイルスを遮断し、3月7日を待たなくても、国内を自由に動ける春がやって来る。日本のワクチン接種は残念だが、遅れている。感染者が増加する都府県市はPCR検査も全員に行ない感染者の増加を0にしたい。このチャンスを逃すと5月頃には第4の波がやって来るに違いない。感染しやすいと言われる変異新型コロナウイルスも驚異である。
 日本のウイルス研究は遅れていた。新型コロナウイルス実験用トランスジェニックマウスは、一匹144万円もし、研究者は嘆いていた。
世界と日本の新型コロナウイルス感染者数及び死者数

  世界の感染者数   世界の死者 日本の感染者数   日本の死者
 2021年2月6日  105、401、152  2、299、388  401、865  6、278
 2021年2月10日      409、223(1570) 6、618(94) 
 2月19日      422、916(1538)  7、312(76)
         

                                カッコは前日集計


2.新型コロナウイルスは日常の対策によって抑えることができる。

(A) 外出は控える.他人と話をするときは,2〜3m程離れる。窓を開けて通風を良くする。感染者がいれば、コロナウイルスの感染は、昼も夜も、また人数にも関係なく感染する。

(B) マスクは必ずする.感染者からのコロナウイルスを含む唾液の飛沫は感染者のマスクにある程度吸収され、そしてある人M さんのマスクで吸収され二重の吸収によって、コロナウイルスはほとんど無くなる。

  唾液の飛沫→「感染者のマスク」→「M さんのマスク」  :M さんは二重のマスクによって守られる。

 (マスクの代わりに口へあてる透明アクリル板は唾液の飛沫の方向を変えるだけで、効果は少ない。使用したマスクの消毒だが、実験結果によると、コロナウイルス(SARS)は80℃の熱湯で1分間消毒すると,SARSは1万分の1に減少するそうである。マスクの消毒は熱湯をかけるのが楽です.100℃の熱湯なら30秒で十分。私は使用したマスクをまとめておいて熱湯をかける。)

(C) 外出時には手から手への感染が多い。アルコール消毒液や石鹸により、手をこまめに消毒する。手を鼻や口や目に触れない。

 「感染者の手」→「買い物かご、野菜や果物を手に持って選ぶ、ドアの取手、電車の吊り輪、トイレ、エスカレーター、エレベーターなど感染者が触れた所」 →「M さんの手」

(D) 帰宅時には,手と顔を洗い,うがいもする.

 


新型コロナウイルスの感染者数と死者数

   感染者数  死者数
2020年4月5日   112万0千  5万9千
 4月22日  256万7千  17万7千
 4月30日  311万8千  21万7千
5月4日   342万0千  24万4千
5月5日   358万5千  25万2千
5月21日   490万2千  32万3千
5月26日   550万0千  34万7千
6月6日   664万2千  39万1千
7月4日   1、087万4千  52万1千
7月7日   1、145万8千  53万5千
7月14日   1、291万0千  56万9千
7月28日   1、648万1千  65万4千
2021年2月6日   1億0、540万1千  229万9千

 新型コロナウイルスの感染者に対する死亡率
 新型コロナウイルスの感染者に対する死亡率(%)は,下表のように国によって,0.1%(100人につき0.1人)から,16%(100人につき16人)と大きく異なる.感染者の数が変化しても,死亡率はあまり変化しないようである。その原因究明は,やってくるであろう2波,3波に備えて重要である。日本の死亡率は決して少なくない,普通である。これから新型コロナウイルスの研究が進み,対策が進むと死亡率は少なくなる。
・医療設備充実?
・医師や看護師の数?
・対応の遅れ?
・医療崩壊が起きた?
・国による生活習慣の違い?
・結核のワクチンBCGを接種する国は少ない(京大の山中教授)?
・サウジアラビアやカタールの死亡率が少ないのは,サウジアラビアを中心に流行したMERS-Cov中東呼吸器症候群コロナウイルス,2012年の抗体が残っている(筆者)?

・国による人口密度の違い,特に密度の大きい都市があると死亡率が大きくなる?

   5月3日まで 6月17日 まで 7月28日 まで  11月10日、11日まで
 国名 感染者   死亡率
(%)
 感染者  死亡率
(%) 
 感染者  死亡率
(%) 
 感染者   死亡率
(%) 
 ベトナム     335  0.0  431  0     
 カタール     82,077  0.0  109,597  0.2     
 サウジアラビア 22,753   0.7 136,315  0.8  268,934  1.0     
 バングラデシュ     94,481  1.3  226,225  1.3     
 ロシア 106,498   1.0 544,725  1.3  816,680  1.6  1,802,762  1.7 
 オーストラリア     7,367  1.4  15,303  1.1     
 チリ     184,449  1.8  347,923  2.6     
 ニュージーランド     1,157  1.9  1,557  1.4     
 タイ     3,141  1.9  3,297  1.8     
 パキスタン     154,760  1.9  274,289  2.1     
 韓国 10,806  2.4 12,257  2.3  14,203  2.1     
 トルコ  120,204  2.7 181,298  2.7  227,019  2.5     
 ペルー  36,976  2.8 237,156  3.0  389,717  4.7  925,431  3.8 
 日本  14,572  3.3 17,628  5.3  32,298  3.1  113,937  1.6 
 インド  35,043  3.3 354,065  3.4  1,480,073  2.3  8,636,011  1.5 
 エクアドル  24,934  3.6     81,161  6.8     
 ポルトガル  25,045  3.9     50,299  3.4     
 ドイツ  16,3009  4.1 188,252  4.7  207,112  4.4     
 中国  83,956  5.5 84,422  5.5  83,959  5.5     
 カナダ  54,457  5.8 101,087  8.2  116,471  7.7     
 米国  1070,032  5.9 2137,731  5.5  4,290,259  3.5  10,252,129  2,3
イラン   94,640  6.3 192,439  4.7  293,606  5.4     
 ブラジル  87,187  7.0 923,189  4.9  2,442,375  3.9  5,699,005  2.9
 
 スペイン  213,435  11.5 244,328  11.1  272,421  10.4  1,417,709  2.8 
 メキシコ     154,863  11.8  395,489  11.1  986,177  9.8 
 オランダ 39,512   12.7     53,151  11.6     
 イタリア  205,463  13.6 237,500  14.5  246,286  14.3  1,028,424  4.2 
 フランス  167,299  14.7 194,347  15.2  208,665  14.4  1,810,653  2.2 
 英国  172,481  15.4 299,600  14.0  300,111  15.2  1,256,725  4.0 
 ベルギー  48,519  15.7     66,428  14.8     
 アルゼンチン             1,273,356  2.7 
 コロンビア             1,165,326  2.9 
 世界計         16,481,230  4.0     
                 

3.コロナウイルスの種類
 コロナ(corona)は,ギリシャ語の王冠”corona"が語源です。天文学では,皆既日食で,月が太陽を隠したとき,太陽大気(100万度)が,ピンクに輝く様子を言います。
 コロナウイルスには,次のような種類があります。
@ SARS-Cov:重症急性呼吸器症候群コロナウイルス,2002年〜2008年
 コウモリのコロナウイルスがヒトに感染するようになった。
A MERS-Cov中東呼吸器症候群コロナウイルス,2012年
 サウジアラビアを中心に流行,2494人感染し,858人死亡した。
B SARS-Cov-2 新型コロナウイルス 2019年12月〜
 現在,世界的に流行している新型コロナウイルスです。

 
4,ウイルスの大きさ
 コロナウイルス,インフルエンザ・ウイルス、鳥インフルエンザ・ウイルス、そしてエイズ・ウイルス、エボラ・ウイルス、ノロ・ウイルスなどウイルス(Virus)は私たちの健康や生命をおびやかしています。ウイルス(virus)ってどんな生物(?)か、細胞と比較しながら調べてみよう。
 動物や植物は顕微鏡で調べると小さな部屋の集まりだと分かります。この小さな部屋を細胞(さいぼう)と呼びます。
 私たちヒトの体は数十兆個の細胞からできています。細胞は小さいけれど普通の光学顕微鏡で見ることができます。
 しかし、ウイルスの大きさは細胞の100分の1から1000分の1で大変小さく、電子顕微鏡を使わないと見えません。(コロナウイルスの直径は約100nm)
 私もそのような設備はないし、写真でしか見たことがありません。下の写真はお借りしたものです。

新型コロナウイルス

インフルエンザウイルスの電子顕微鏡写真

細胞とウイルスの略図


5,ウイルスの構造(細胞とウイルスの図参照)
 細胞は生物の最小単位ですが、核、ミトコンドリア・・・など細胞分裂に必要な機能を持っていて、自分で分裂し増える(増殖)ことができます。しかし、ウイルスは遺伝を伝える遺伝子DNAあるいはRNAとこれを包むタンパク質の殻のみで、自分では分裂して増殖できません。(コロナウイルスはRNA)
ウイルスは動物や植物の細胞やバクテリアのような細菌に入り込むと、生物らしく増殖するという不思議な寄生生物です。
 新型コロナウイルスは,このように電子顕微鏡を使わないと見えないほど小さく,感染したヒトが話などして口から唾液の飛沫が出て、飛沫の水分が蒸発すると,残った質量の小さいウイルスが空気中を浮遊することになる.この空気中を浮遊するウイルスは,空気感染のように他人へ感染します.

6,ウイルスの増殖と種類
 細胞へ入り込んだウイルスは細胞の酵素などを使って、自分の遺伝子の大量コピーを始めます。このときミスコピーが生じ、違う設計図の遺伝子も出来てしまいます。
次にタンパク質の殻も作り、子供のウイルスが大量にできます。増殖した大量のウイルスは細胞を破壊し、外へ出て行きます。外へ出たウイルスは他の細胞へ入り込み増殖します。このようにして,どんどん細胞が破壊されていきます.新型コロナウイルスも同じように増殖し,細胞を破壊するのです.

@「新型コロナウイルス」は,感染力が強く,人類にとって強敵です.なんとか抑え込もうと人類が協力して頑張っている。
 ワクチンの研究には膨大な予算が必要のようだ。新型コロナウイルス実験用トランスジェニックマウスは一匹144万円もするといわれている。日本のワクチンの研究の遅れは研究機関への予算にあるようだ。残念!

期待されている新型コロナウイルスの治療薬やワクチン
ー治療薬ー
”レムデシビル”:エボラ出血熱の治療薬として開発され,新型コロナウイルスに対する実験で有効性を示し,期待されている.
”アビガン”:富士フィルムが複数の病院で医師による観察研究として処方されている.
”フサン” :東京大学で研究している治療薬.感染者11人に投与して,10人に効果があった.
ーワクチンー
”RNAワクチン”:米国ファイザー社,ドイツのビオンテック社が共同開発,中和抗体の量は新型コロナに感染して回復した人の1.9〜4.6倍であった.
”モデルナワクチン”:
”KMバイオロジクスのワクチン”


A「スペイン風邪ウイルス」は,新型コロナウイルスに似ているようです。このウイルスは世界人口の約50%が感染し、2,000万人から4,000万人が死亡した恐ろしいウイルスでした.日本の流行状況は,1918年8月〜1921年7月の間に3回のピークがあり,約2,380万人が感染し,死者約39万人でした.

B「鳥インフルエンザ・ウイルス」は,ヒトからヒトへ感染し易いウイルスに変化すると、スペイン風邪のようになるのではと心配し、研究されて来ました.東京大学医科学研究所の河岡義裕教授らの動物実験によると、鳥インフルエンザ・ウイルス(H5N1)に対して、国産の新しい抗ウイルス薬(CS-8958)が治療や予防に効果が高いことがわかった。(2010年2月26日の米科学誌プロス・パソジェンズに発表)この薬は季節性インフルエンザにも効果があり、口から吸い込むだけでよいようです。注射の痛い思いをしなくてすみ、よかったですね。

C「エボラ・ウイルス」は,感染すると、39度の高熱になり、気管支や鼻から出血し、感染者の50%から89%の死亡率だそうです。病名はエボラ出血熱です。エボラ・ウイルスは,アフリカで発見されました。死亡率が高く、ウイルスを撒き散らす前に死んでしまうので、世界的な流行にはならないようです。

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