惑星の運動 星が好きな小・中学生の皆さんへ

太陽の周りを公転している惑星は水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星の8個です。
これらの惑星は質量が大きいので、引力も大きく、ほぼ球形をしています。(2008年8月、国際天文学連合総会)
惑星の公転軌道は円に近いだ円で、公転の方向はすべての惑星が西から東の方向です。

1. だ円を描いてみよう。(2人1組)

用意する物: 画用紙、マチ針2本、約15cmの糸を輪にしたもの。
描き方(写真のように)
@一人は画用紙へマチ針を2本刺し、糸の輪をかけて、マチ針が動かないように抑えています。
Aもう一人はエンピツ(シャープペン)の芯を糸にかけ、糸を張った状態をたもちながら、曲線を描いていきます。

だ円を描くのに使った糸の輪の大きさは一定です。マチ針の間隔B-Cの長さも一定です。
A-BとA-Cの長さはエンピツの位置によって変化しますが、A-BとA-Cの長さをプラスした長さは一定ですね。
2点B,Cからの距離をプラスした値(A-B)+(A-C)が一定な点をつなぐと、だ円になるのです。
マチ針の間隔B-Cを小さくするとだ円は円に近づきます。

マチ針を立てたBとCをダ円の焦点(しょうてん)と言います。

2、惑星の公転運動
@惑星の公転軌道(太陽の周りを回る道)はダ円です。太陽は一方の焦点にあります。(下図)

A惑星と太陽を結ぶ線が一定の時間に描く面積(ア、イ、ウ)が同じになるように、惑星は動きます。
したがって、惑星が太陽に近いアの付近を公転する速さは早く、太陽から離れたウ付近の速さは遅くなります。

B太陽から離れた外側の惑星ほど公転周期(太陽の周りを一周する時間)は長くなります。
惑星の公転周期(年単位)
 水星 0.24           木星  11.86 
 金星 0.6            土星  29.5
 地球 1             天王星 84.0
 火星 1.88          海王星 164.8
(ケプラーの第三法則:惑星と太陽の平均距離(a)の3乗と公転周期(T)の2乗との比は一定です。)
                 
惑星の公転運動については、ケプラー(1571〜1630年)が観測資料から調べました。

3、.内惑星について
地球の内側を公転している水星と金星を内惑星と呼びます。
内惑星は太陽の西側か東側で、太陽から余り離れない方向にあります。
内惑星を見るのには夜明け前の東の空か、日没後の西の空を観測します。
下図のように、金星が太陽の東側にあって、約45°の方向にあるとき、約ー4等星の明るい金星(宵の明星)を観測できます。
水星は太陽との方向が最大でも28°しか離れず、観測しにくいです。

4、外惑星について
地球の外側を公転している火星、木星、土星、天王星、海王星が外惑星です。
外惑星の火星について運動を調べてみよう。
地球は太陽の周りを1年で一周しますが、火星の公転周期は1.88年ですから、約2年で一周することになります。
下のアニメーションの画像は地球と火星が接近したときをスタートとして、1年間の動きを示したものです。(繰り返しています。)

問い
火星が地球に接近するのは約何年に一回ですか。アニメーションの図形から考えてください。

もどる