ディレクター  再び

ーン、ミーン、ミーン、ジジジー。
太陽がSUNSUNと降り注ぎます。
季節は夏です。
汗がなだれ落ちます。
暑い!ほっと!!かるどー!!!
会社のクーラー効かないぞー!!!!

そんな事は言いとして、グラフィッカーとして、過す日々が過ぎ去ります。
ご多分にもれずこの職業も、忙しい時と忙しくない時(あえて暇な時とは言いません。暇な時はありませんでしたから。)の差があります。
1つのプロジェクトが収束するにしたがって、ゆとりが生まれてきます。

やれやれ、ようやく一息つけるなーと思っている最中
ポンポン
と、誰かが肩を叩きます。

振り向くと
ニター
と笑う課長1人。
いやな予感が走ります。
「馬場さん、そろそろ余裕ができるよねー。」
「はい、ようやく峠を越えました。」
「今度、こういった仕事がきたんですよ。今度はディレクターでオーサーしてよ。」
と、振ってきます。

ようやくグラフィッカーとして落ち着いてきたのに。
再びディレクター、復活です。

今回の、ディレクターの起用ですが、先輩オーサーの方々がパンクしていた事と、仕事的にもさほど技量がいらないことで、私に回ってきたしだいです。
確かに内容も、ムービーコントロールや部ファイルの読み込み程度で、さほど技量がいらないものでしたしね。
そんなこんなで、本当に簡単なもののオーサリングが回ってくる様になった次第です。

て、本編とは離れますが、こんなホームページでも、見てくださって、メールを下さる方々います。(ありがとうございます。)
そのメールの中で、根本的なディレクターのオーサリングの仕方についての質問が、数多くあります。
そこで、私事で恐縮ではありますが、私のオーサリングの仕方についてご説明させて頂きます。
(先輩オーサーの方々、間違っていたらご指摘お願い致します。ペコ。)

@仕様を固める
仕事が回ってくると、仕様書(指示書)のようなものを与えられます。
いや、与えられれば良いほうで、だいたいはミーティングで、
「今度こんなのやるからつくってよ。」
と、いった程度の仕様です。(私にくる仕事は簡単だったせいか、こんなのばっかだった。)
かりに、仕様書がきた場合は、その仕様書をじっくりと、紙に穴が空くほど読み込みます。
そして、仕様を頭に叩きこみます。

Aオーサリングの大枠を固める
仕様が分かったら、オーサリングするうえで必要なものを頭の中で組み立てます。
パズルみたいなものです。
例えば、ボタンをクリックして画面が変わる程度のものでしたら
「set the member of sprite 〜 to 〜 をつかって、キャストを入れ替えればいいなー。」
とか、
ゲームのようにあたったら爆破するシューティングゲームでしたら、
「接触だから、intersectをつかうんだなー。」
とか、基本コマンドを頭の中に考えて、大まかにスクリプティングします。
ここで、
「外部ファイルの読み込みはどうするんだろう」
と、Lingoが思い浮かばないようでしたら、Lingo辞書や参考本のお世話になります。
そして、ダミーの絵などをつくって、わからないLingoの命令を自分のものにするまで、実験します。

ここらへんのLingoをいくつ知っているかが、技量の分かれ目でしょうね。

ここの段階で、組方のアイディアが浮ばない時には、ボケーと考えているため、端から見ていると、仕事をしていないように見えます。
(でも、モニターにスクリプトの画面を出しておけば、仕事しているようにみえるかも。)

B実際にオーサリングを行う
頭の中の構想を、実際にスクリプティングします。
ボタンのように使いまわしがきくビヘイビアは、使いまわします。
新たに必要な動きは、チクチクとつくっていきます。

かなり個人差がありますが、私の場合、ビヘイビアをつくってスプライトに貼り付けてばっかりいます。
当初は、1つの簡単なビヘイビアをつくって、いくつものスプライトへ貼り付けていましたが、分からなくなってしまうので、最近では、最高でも3つしか貼り付けしません。

また、バグを怖がっているせいか、高度なことをやりだすと、1スプライトに1ビヘイビアになってしまって、せっかくのビヘイビアが使いまわしが効かなくなってしまう、今日このごろです。
ここらへんがまだまだ甘いですね。
勉強しよーと。

Cバグ取り
これが一番嫌ですね。
文法間違いなら、ぜんぜんOKなのですが、予期しない動きをされると、はじからひっくり返して検証します。
Bのスクリプトを組むより時より、時間がかかる時もあります。
始めにいいかげんに、スクリプトを組むと、バグを取り除くために、きれいなスクリプトが、どんどん汚くなってしまい、最終的には、スパゲティー状態に絡み合って、収集がつかなくなります。

たまに、ディレクター自身のバグが原因で、動きがおかしくなることもあります。
そういった時には、泣けてきます。


以上、こういった感じで私は組んでいます。
参考になられてでしょうか。
細かいLingoの命令等については、書店に良い参考書が数多く出回っていますので、そちらを参考にしたほうがいいですね。

次回は「新しき 訪問者達」です。