NO.036
気になる樹  乗鞍の冬 02頁

目次に戻る

 

 一之瀬のほぼ中心、小川の流れが直角に曲がるあたりに気になる樹がある。
 高さは10mくらい。巨木とはとてもいえないが品の好い樹である。高さ2mくらいまでは太い幹がどっしりと立っているが、その先は細い3本の若木がまっすぐに伸びている。どうして、この樹だけがこんな形をしているのだろうか、といつも不思議に思う。
 明らかに伐採された跡に新芽(ひこばえ)がでて、そのまま育ったものに違いないが、周囲を見渡してもそんな形跡は他にはない。
 それに、2mもの高さになってから切るのは変だ。村人が切ったには違いないが、薪とか炭焼き用に切るならもっと根っこから伐ったほうが楽だろうし、仕事なら当然そうするに違いない。そうでなければ理屈に合わない、と変に力んでしまったが、何かほかに理由があったのかなあ。

 

 

 

 

BACK

TOP

NEXT