NO.029
気になる樹  乗鞍の冬 03頁

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 ひとわたり写し終わって一休み。手に掬い取った雪を固めて、ウィスキーを垂らして舌にのせると、ちょっと贅沢なウィスキーボンボン。透き通るような冷たさを味わうのがなんともいえない私の好きな時間、などといいながら樹にもたれているといい気持ちに...。
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 頬を撫でる風の心地よさに誘われて夢見たものは初夏の放牧場。私が立っているのは、高さ2mほどの切株。好い眺めだなあ。これはいいや。この位置なら、水の流れに角度が付くから、ほとばしる水の流れが写るかな、と振り向いた途端、ワーッ、足を踏み外してドッスーン!

 思わず目を覚ますと、雪の中。根っこの雪を踏み抜いてしまったのだ。惜しかったなあ、もう少しでいいアングルで撮れたのに、というのは欲張りか。
 この切株は、放牧した牛馬の見張り台だった、というのはどうかなあ。

 

 

 

 

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