いや、なんかね、毎度毎度同じこと言ってて申し訳ないんだが、このところの 忙しさは正気の沙汰とは思えぬ。もうなんつーか死ぬ。or die。 で、骨良性嚢胞性病変の鑑別診断であるが、今までF、E、G、Nときて今日は 「O」の予定である。 そして、前回書いたことなのだが、「O」、つまりosteoblastomaと、ひとつ 飛ばして「A」、つまりAneurysmal bone cyst(ABC)とは、所見がよく似ている ことがある(似てないこともある)のである。 つーわけで、ちょいと変則的であるが、今日はまずABCを先にやり、そして osteoblastomaに戻って、で今日は終わるのである。(^^; 「M」、つまりmetaとmyelomaは明日回しじゃ。 それではABC、正式名称「動脈瘤様骨嚢腫」Aneurysmal bone cystで ある。 これには結構はっきりした特徴があって、ひとつには膨張性であると いうこと、そしてもうひとつは発症年齢が30歳以下であるということで ある。 また、MRIで内部にfluid-fluid levelが見られる。これはABCに完全に 特異的というわけではないが、少なくとも「特徴的」ではある。 なんだか、年齢的には先日の「N」、Nonossifying fibromaあたりとダブる 疾患であるっぽいな。 鑑別点は、恐らく「必ず膨張性」というあたりかもしれない。 また、もうひとつ、Nonossifying fibromaとの重要な鑑別点は、「通常痛み を伴う」ことである。あっちは無症状だからな。 骨端に出来ることもあって、そうなると、もしかしたらGCTとの鑑別も問題に なるんじゃないかと思わんでもない。 と言うところを踏まえて、元に戻ってosteoblastoma、骨芽細胞腫で ある。 骨芽細胞腫には2つのパターンがあって、うちひとつは、さっきのABCにそっくり なのである。 つまり、X線でABCが疑われるなら、自動的に骨芽細胞腫も鑑別に挙がる のである。 ちなみに、骨芽細胞腫が一番よく見られるのは椎体の後方成分であるらしい。 もっとも、そこにはABCも出来るんだがな。(^^; なお、「椎体後方成分に出来る膨張性・溶骨性変化」といえば、ABC、骨芽細胞腫 ともうひとつ、結核を挙げておこう。脊椎カリエスというやつであるな。 今日はこんなところで許してくれ。(;_;) 明日は飛ばした「M」と、「S」ぐらいはいくかね。万が一仕事が忙しくなければ 「H」まで。 |