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2001.4.10



今日は、30〜40歳の悪性骨腫瘍である。


まずは線維肉腫 fibrosarcoma。これの特徴は骨新生を起こさない
ことで、つまり骨は溶ける一方である。つまり、逆に言えば、骨硬化像が
あれば、これは鑑別疾患から外していい、って事なのではないだろうか。

ただ、溶骨性変化と一口に言っても、浸透性、虫食い状、あるいは境界明瞭な
透亮域と、実に様々な所見を呈するのである。ここは要注意。
また、腐骨が見られることがあるのも特徴。腐骨があれば、鑑別を線維肉腫、
デスモイド、MFH、悪性リンパ腫、あと骨髄炎とEosinophilic granulomaぐらい
まで絞れる。っていうか骨髄炎の時にやったのより増えてるような。(^^;

あと、重要なのは、骨腫瘍には珍しく、fibrosarcomaはMRIのT2強調像で
低信号になる
のである。これと同様にT2低信号になる腫瘍が2つあって、それは
MFHとデスモイドなのだが、それはまたすぐあとに出てくる話だ。


というわけで、次はMFH、つまり悪性線維性組織球腫 Malignant Fibrous
Histiocytoma
。長ぇ。
これは、先ほどのFinbrosarcomaと同様の所見を呈する、で終わってしまう。(^^;


そしてデスモイド Desmoid。これはfibrosarcomaの亜型であり、なもんで
こないだの表には入っていなかったのである。だが、まぁ、やっとくに越した
ことは無かろう。
デスモイドはfibrosarcomaの亜型であるからして、当然fibrosarcomaと似たような
画像を呈するわけなんであるが、発育速度が遅く、そのためかなり境界明瞭な
病変
となる。また、太い突起やスパイクを伴う良性の骨髄炎を伴い、
厚い隔壁に分けられた多房性の病変となることが特徴である。


では次、悪性巨細胞腫 Malignant Giant cell tumor
これは、以前やった良性のGCTと同じ所見を呈する。って言うか、画像で両者を
見分ける術がないのである。せいぜい遠隔転移(だいたい肺)があるとか
術後再発とか、そういったあからさまに悪性の所見がない限り、悪性とは
わからないわけであるな。


それでは、30台の腫瘍の最後、細網細胞肉腫である。
これについてもひとこと、ユーイングに似ている。以上。(^^;
あ、もちろん、ユーイングとは、年齢で鑑別するんである。

おっと、もひとつ、ユーイングと細網細胞肉腫との鑑別点があった。症状の
有無
である。
ユーイングはたいがい痛いのだが、これは痛くないのだ。
まぁ、その前に患者のプロフィールで年齢は分かるはずなんだが、まぁ付随事項
ということで。


本日はこんなところであるな。
40歳以上の腫瘍が、ひとつ(軟骨肉腫 Chondrosarcoma)を除いて既述の物で
あるため、今日は先に進んでもいいかと思ったが、あんまり進んで消化不良を
起こしてもいけないので(俺が、な(^^;)、とりあえずこの辺で終わっておく
のである。

次回、40歳以上の腫瘍が終わったら、恐らく軟部腫瘍をやることになると
思うが、正直、かなりイバラの道であるような気がしてならない。(^^;
とっとと終わらせて外傷やりてぇ。


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