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『蜻蛉(大島本)』
と思ひ続けたまひつつ、行ひをのみしたまふ。
[第三段 匂宮悲しみに籠もる]
かの宮はた、まして、二、三日はものもおぼえたまはず、うつし心もなきさまにて、「いかなる御もののけならむ」など騒ぐに、やうやう涙尽くしたまひて、思し静まるにしもぞ、ありしさまは恋しういみじく思ひ出でられたまひける。人には、ただ御病の重きさまをのみ見せて、「かくすずろなるいやめのけしき知らせじ」と、かしこくもて隠すと思しけれど、おのづからいとしるかりければ、
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第二章 浮舟の物語 浮舟失踪と薫、匂宮
[第三段 匂宮悲しみに籠もる]
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