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 『幻(大島本)

  見えこぬ魂の行方たづねよ」
 何ごとにつけても、紛れずのみ、月日に添へて思さる。
 五節などいひて、世の中そこはかとなく今めかしげなるころ、大将殿の君たち、童殿上したまへる率て参りたまへり。同じほどにて、二人いとうつくしきさまなり。御叔父の頭中将、蔵人少将など、小忌にて、青摺の姿ども、きよげにめやすくて、皆うち続き、もてかしづきつつ、もろともに参りたまふ。思ふことなげなるさまどもを見たまふに、いにしへ、あやしかりし日蔭の折、さすがに思し出でらるべし。

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  第三章 光る源氏の物語 紫の上追悼の秋冬の物語  [第二段 源氏、出家を決意]

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