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『
蓬生(大島本)
』
「藤波のうち過ぎがたく見えつるは
松こそ宿のしるしなりけれ
数ふれば、こよなう積もりぬらむかし。都に変はりにけることの多かりけるも、さまざまあはれになむ。今、のどかにぞ鄙の別れに衰へし世の物語も聞こえ尽くすべき。年経たまへらむ春秋の暮らしがたさなども、誰にかは愁へたまはむと、うらもなくおぼゆるも、かつは、あやしうなむ」
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第三章 末摘花の物語 久しぶりの再会の物語 [第四段 末摘花と再会]
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