検索結果詳細


 『蓬生(大島本)

 「藤波のうち過ぎがたく見えつるは
  松こそ宿のしるしなりけれ
 数ふれば、こよなう積もりぬらむかし。都に変はりにけることの多かりけるも、さまざまあはれになむ。今、のどかにぞ鄙の別れに衰へし世の物語も聞こえ尽くすべき。年経たまへらむ春秋の暮らしがたさなども、誰にかは愁へたまはむと、うらもなくおぼゆるも、かつは、あやしうなむ」

 154/173 155/173 156/173

  第三章 末摘花の物語 久しぶりの再会の物語  [第四段 末摘花と再会]

  [Index]