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『手習(大島本)』
とて泣いたまふ。あまり問ふをば、苦しと思したれば、え問はず。かぐや姫を見つけたりけむ竹取の翁よりも、珍しき心地するに、「いかなるものの隙に消え失せむとすらむ」と、静心なくぞ思しける。
[第六段 小野山荘の風情]
この主人もあてなる人なりけり。娘の尼君は、上達部の北の方にてありけるが、その人亡くなりたまひてのち、娘ただ一人をいみじくかしづきて、よき君達を婿にして思ひ扱ひけるを、その娘の君の亡くなりにければ、心憂し、いみじ、と思ひ入りて、形をも変へ、かかる山里には住み始めたりけるなり。
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第二章 浮舟の物語 浮舟の小野山荘での生活
[第六段 小野山荘の風情]
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