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 『幻(大島本)

 「いみじうも積もりにける雪かな」
 と言ふ声を聞きつけたまへる、ただその折の心地するに、御かたはらの寂しきも、いふかたなく悲し。
 「憂き世には雪消えなむと思ひつつ

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  第一章 光る源氏の物語 紫の上追悼の春の物語  [第二段 雪の朝帰りの思い出]

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