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 『総角(大島本)

 [第四段 薫、大君の寝所に迫る]
 「今は言ふかひなし。ことわりは、返すがへす聞こえさせてもあまりあらば、抓みもひねらせたまへ。やむごとなき方に思しよるめるを、宿世などいふめるもの、さらに心にかなはぬものにはべるめれば、かの御心ざしは異にはべりけるを、いとほしく思ひたまふるに、かなはぬ身こそ、置き所なく心憂くはべりけれ。

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  第三章 中の君の物語 中の君と匂宮との結婚  [第四段 薫、大君の寝所に迫る]

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