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 『手習(大島本)

 と言ふにつけても、いとど涙ぐみて、
 「隔てきこゆる心は、はべらねど、あやしくて生き返りけるほどに、よろづのことの世にたどられて。あらぬ世に生れたらむ人は、かかる心地やすらむ、とおぼえはべれば、今は、知るべき人世にあらむとも思ひ出でず。ひたみちにこそ、睦ましく思ひきこゆれ」

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  第三章 浮舟の物語 中将、浮舟に和歌を贈る  [第四段 中将、横川の僧都と語る]

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