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『
紫式部日記(黒川本)
』
夜いたう更けにけり。御物忌みにおはしましければ、御前にも参らず、心細くてうち臥したるに、前なる人びとの、
「内裏わたりはなほいとけはひことなりけり。里にては今は寝なましものを。さもいざとき沓のしげさかな」
と色めかしく言ひゐたるを聞く。
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第一部 敦成親王誕生記 第二章 寛弘五年(一〇〇八)冬の記 【二一 十二月二十九日、参内、初出仕時に思いをはせる】
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