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 『浮舟(明融臨模本)

 わが心にも、「それこそは、あるべきことに、初めより待ちわたれ」とは思ひながら、あながちなる人の御ことを思ひ出づるに、怨みたまひしさま、のたまひしことども、面影につと添ひて、いささかまどろめば、夢に見えたまひつつ、いとうたてあるまでおぼゆ。
 第五章 浮舟の物語 浮舟、恋の板ばさみに、入水を思う
 [第一段 春雨の続く頃、匂宮から手紙が届く]

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  第五章 浮舟の物語 浮舟、恋の板ばさみに、入水を思う

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