検索結果詳細
『夢浮橋(大島本)』
「いと便なきしるべとは思すとも、かの坂本に下りたまへ。かばかり聞きて、なのめに思ひ過ぐすべくは思ひはべらざりし人なるを、夢のやうなることどもも、今だに語り合はせむ、となむ思ひたまふる」
とのたまふけしき、いとあはれと思ひたまへれば、
「容貌を変へ、世を背きにきとおぼえたれど、髪鬚を剃りたる法師だに、あやしき心は失せぬもあなり。まして、女の御身はいかがあらむ。いとほしう、罪得ぬべきわざにもあるべきかな」
35/153
36/153
37/153
第一章 薫の物語 横川僧都、薫の依頼を受け浮舟への手紙を書く
[第三段 薫、僧都に浮舟との面会を依頼]
[Index]