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 『総角(大島本)

 不断経の、暁方のゐ替はりたる声のいと尊きに、阿闍梨も夜居にさぶらひて眠りたる、うちおどろきて陀羅尼読む。老いかれにたれど、いと功づきて頼もしう聞こゆ。
 「いかが今宵はおはしましつらむ」
 など聞こゆるついでに、故宮の御ことなど申し出でて、鼻しばしばうちかみて、

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  第六章 大君の物語 大君の病気と薫の看護  [第七段 阿闍梨、八の宮の夢を語る]

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