検索結果詳細
『浮舟(明融臨模本)』
「まろは、いかで死なばや。世づかず心憂かりける身かな。かく、憂きことあるためしは、下衆などの中にだに多くやはあなる」
とて、うつぶし臥したまへば、
「かくな思し召しそ。やすらかに思しなせ、とてこそ聞こえさせはべれ。思しぬべきことをも、さらぬ顔にのみ、のどかに見えさせたまへるを、この御事ののち、いみじく心焦られをせさせたまへば、いとあやしくなむ見たてまつる」
551/657
552/657
553/657
第六章 浮舟と薫の物語 浮舟、右近の姉の悲話から死を願う
[第七段 浮舟、右近の姉の悲話から死を願う]
[Index]