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『
明石(大島本)
』
と思して、御返りのたまふ。
「知らぬ世界に、めづらしき愁への限り見つれど、都の方よりとて、言問ひおこする人もなし。ただ行方なき空の月日の光ばかりを、故郷の友と眺めはべるに、うれしき釣舟をなむ。かの浦に、静やかに隠ろふべき隈はべりなむや」
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第一章 光る源氏の物語 須磨の嵐と神の導きの物語 [第四段 明石入道の迎えの舟]
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