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 『浮舟(明融臨模本)

 参り来まほしきを、少将の方の、なほ、いと心もとなげに、もののけだちて悩みはべれば、片時も立ち去ること、といみじく言はれはべりてなむ。その近き寺にも御誦経せさせたまへ」
 とて、その料の物、文など書き添へて、持て来たり。限りと思ふ命のほどを知らで、かく言ひ続けたまへるも、いと悲しと思ふ。
 [第八段 浮舟、母への告別の和歌を詠み残す]

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  第七章 浮舟の物語 浮舟、匂宮にも逢わず、母へ告別の和歌を詠み残す  [第七段 京から母の手紙が届く]

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