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 『澪標(大島本)

 入道待ちとり、喜びかしこまりきこゆること、限りなし。そなたに向きて拝みきこえて、ありがたき御心ばへを思ふに、いよいよいたはしう、恐ろしきまで思ふ。
 稚児のいとゆゆしきまでうつくしうおはすること、たぐひなし。「げに、かしこき御心に、かしづききこえむと思したるは、むべなりけり」と見たてまつるに、あやしき道に出で立ちて、の心地しつる嘆きもさめにけり。いとうつくしうらうたうおぼえて、扱ひきこゆ。

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  第二章 明石の物語 明石の姫君誕生  [第三段 乳母、明石へ出発]

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