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 『末摘花(大島本)

 「答へきこえで、ただ聞け、とあらば。格子など鎖してはありなむ」とのたまふ。
 「簀子などは便なうはべりなむ。おしたちて、あはあはしき御心などは、よも」
 など、いとよく言ひなして、二間の際なる障子、手づからいと強く鎖して、御茵うち置きひきつくろふ。

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  第一章 末摘花の物語  [第五段 秋八月二十日過ぎ常陸宮の姫君と逢う]

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