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 『御法(大島本)

 大将の君も、御忌に籠もりたまひて、あからさまにもまかでたまはず、明け暮れ近くさぶらひて、心苦しくいみじき御けしきを、ことわりに悲しく見たてまつりたまひて、よろづに慰めきこえたまふ。
 風野分だちて吹く夕暮に、昔のこと思し出でて、「ほのかに見たてまつりしものを」と、恋しくおぼえたまふに、また「限りのほどのの心地せし」など、人知れず思ひ続けたまふに、堪へがたく悲しければ、人目にはさしも見えじ、とつつみて、

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  第三章 光る源氏の物語 源氏の悲嘆と弔問客たち  [第一段 源氏の悲嘆と弔問客]

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