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 『蛇くひ』 青空文庫

 凡そ幾百戸の富家《ふか》、豪商、一度づゝ、此《この》復讐《しかへし》に遭はざるはなかりし。渠等《かれら》の無頼なる幾度も此《この》挙動を繰返《くりかへ》すに憚《はゞか》る者ならねど、衆《ひと》は其《その》乞ふが随意《まゝ》に若干の物品《もの》を投じて、其《その》悪戯《あくぎ》を演ぜざらむことを謝するを以て、食《へびくひ》の芸は暫時休憩を呟きぬ。

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