検索結果詳細
『人魚の祠』
青空文庫
(や、待てい。)
青膨《あをぶく》れが、痰の搦《から》んだ、ぶやけた声して、早や行掛つた私を留《と》めた……
(見て貰えたいものがあるで、最《も》う直ぢやぞ。)と、首をぐたりと遣りながら、横柄に言ふ。……何と、其の両足から、下腹《したばら》へ掛けて、棕櫚の毛の蚤が、うよ/\ぞろ/\……赤蟻の列を造つてる……私は立窘《たちすく》みました。
103/122
104/122
105/122
[Index]