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 『木の子説法』 青空文庫

 めそめそ泣くような質《たち》ではないので、石も、日も、少しずつ積りました。
 ――さあ、その残暑の、朝から、旱《て》りつけます中へ、端書《はがき》が来ましてね。――落目もこうなると、めったに手紙なんぞ覗《のぞ》いた事のないのに、至急、と朱がきのしてあったのを覚えています。ご新姐あてに、千葉から荷が着いている。お届けをしようか、受取りにおいで下さるか、という両国辺の運送問屋から来たのでした。

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