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 『木の子説法』 青空文庫

 品物といえば釘の折でも、屑屋《くずや》へ売るのに欲《ほし》い処。……返事を出す端書が買えないんですから、配達をさせるなぞは思いもよらず……急いで取りに行く。この使《つかい》の小僧ですが、二日ばかりというもの、かたまったものは、漬菜《つけな》の切れはし、黒豆一粒入っていません。ほんとうのひもじさは、話では言切れない、あなた方の腹がすいたは、都合によってすかせるのです。いいえ、何も喧嘩をするのじゃありません、おわかりにならんと思いますから、よしますが。

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