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 『龍潭譚』 青空文庫

 「ぢいや、御苦労だが。また来ておくれ、この児を返さねばならぬから。」
 「あいあい。」
 と答へて去る。山風颯とおろして、彼の白き鳥また翔《た》ちおりつ。黒き盥のふちに乗りて羽づくろひして静まりぬ。

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