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『龍潭譚』
青空文庫
「あいあい。」
と答へて去る。山風颯とおろして、彼の
白
き鳥また翔《た》ちおりつ。黒き盥のふちに乗りて羽づくろひして静まりぬ。
「もう、風邪を引かないやうに寝させてあげよう、どれそんなら私も。」とて静《しずか》に雨戸をひきたまひき。
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